2. 親世帯に仕送りする人はどのくらいいる?

総務省統計局の「国民生活基礎調査 令和4年国民生活基礎調査 世帯」によると、親世帯に仕送りをしている世帯は「104万7000世帯」でした。

金額別の親世帯に仕送りをしている世帯数は下記のとおりです。

2万円未満:12万8000世帯
2~4万円:31万3000世帯
4~6万円:21万4000世帯
6~8万円:6万6000世帯
8~10万円:4万2000世帯
10万円以上:19万7000世帯
不詳:8万8000世帯

1世帯あたりの平均仕送り額は「5万6000円」となっており、10万円以上親へ仕送りをしている世帯は全体で18.8%です。

上記をみると、「仕送りの援助があるなら貯蓄がなくても生活していける」と感じてしまいますが、これはあくまで「仕送りをしている世帯」です。

総務省統計局の同調査では、親世帯に仕送りをしている世帯が「104万7000世帯」なのに対して、仕送りをしていない世帯は「5153万世帯」となっています。

総世帯が「5431万世帯」であることから、ほとんどの世帯が仕送りをしていないことがうかがえます。

仕送りをしてもらえれば、その分老後生活の足しにできますが、実際のところなかなか援助を頼みにくいものです。

では、貯蓄が少ない・仕送りがないケースでも、年金収入だけで生活していけるのでしょうか。

次章にて、公的年金「国民年金・厚生年金」の平均月額についてみていきましょう。

3. 70歳代が受け取れる年金月額はいくら?

現在の70歳代・80歳代が受け取っている、国民年金と厚生年金の平均月額を確認していきましょう。まずは70歳代から確認します。

3.1 【国民年金】70歳代の平均月額一覧

まずは、現役時代に自営業や専業主婦だった人が受け取る「国民年金」の平均月額を70歳〜79歳まで1歳刻みでみていきます。

厚生労働省年金局の「令和4年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」によると、70歳代の国民年金の平均月額は下記のとおりです。

  • 70歳:5万7320円
  • 71歳:5万7294円
  • 72歳:5万7092円
  • 73歳:5万6945円
  • 74歳:5万6852円
  • 75歳:5万6659円
  • 76歳:5万6453円
  • 77歳:5万6017円
  • 78歳:5万5981円
  • 79歳:5万5652円

70歳代国民年金の金額

70歳代国民年金の金額

出所:厚生労働省年金局「令和4年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」をもとにLIMO編集部作成

国民年金においては、どの年代も5万円台となっているのがわかります。

仮に、夫婦ともに国民年金のみ受給の場合、世帯で受け取れる年金額は約11万円であり、年金だけで生活していくにはやや心もとない数字といえます。

3.2 【厚生年金】70歳代の平均月額一覧

続いて、現役時代に会社員や公務員だった人が受け取れる「厚生年金」の平均月額も、70歳〜89歳まで1歳刻みでみていきます。

なお、ここで紹介する厚生年金の平均月額は、国民年金も含む金額となっています。

厚生労働省年金局の同調査によると、70歳代の厚生年金の平均月額は下記のとおりです。

  • 70歳:14万1350円
  • 71歳:14万212円
  • 72歳:14万2013円
  • 73歳:14万5203円
  • 74歳:14万4865円
  • 75歳:14万4523円
  • 76歳:14万4407円
  • 77歳:14万6518円
  • 78歳:14万7166円
  • 79歳:14万8877円

70歳代厚生年金の金額

70歳代厚生年金の金額

出所:厚生労働省年金局「令和4年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」をもとにLIMO編集部作成

1歳あがる事に、徐々に金額が上がっている様子がわかります。

では今の80歳代の年金額はもっと高くなるのでしょうか。同様に、80~89歳の1歳刻みで確認したいと思います。