老後生活を送る上で重要な収入となるのが年金収入です。筆者は元銀行員ですが、年金支給日である偶数月の15日は年金が振り込まれているのを楽しみに窓口やATMに来店されるお客様が多かったのを思い出します。

年金受給額は個人差があるものですが、友人から「月額30万円受け取っている」と聞くと、羨ましく感じる一方、本当に30万円も受け取れるのか気になる人も多いのではないでしょうか。

この記事では、年金を月額30万円も受け取る「高額受給者」の割合を確認していきます。

1. 「国民年金・厚生年金」平均受給額は月額いくら?

冒頭で、年金「月額30万円」は羨ましい、高額受給者などと言いましたが、現役世代の人たちは、そもそも年金収入がどれくらいか知らないかもしれません。

そのため、まずは厚生労働省の「令和4年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」より、「国民年金・厚生年金」の平均受給額を確認しましょう。

1.1 【国民年金】

【写真3枚】1枚目/国民年金・厚生年金の平均受給額、2枚目/厚生年金の受給額別の受給権者数

国民年金・厚生年金の平均受給額

出所:厚生労働省年金局「令和4年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」をもとにLIMO編集部作成

  • 男女全体平均月額:5万6316円
  • 男性平均月額:5万8798円
  • 女性平均月額:5万4426円

国民年金は日本に住む20歳から60未満の全ての人が原則として加入する年金です。

会社員や公務員などは国民年金に上乗せする形で厚生年金にも加入しますが、自営業者や専業主婦・専業主夫など厚生年金に1度も加入したことがない人は、老後に「国民年金のみ」を受給します。

1.2 【厚生年金】

  • 男女全体平均月額:14万3973円
  • 男性平均月額:16万3875円
  • 女性平均月額:10万4878円

※上記、厚生年金の月額には国民年金も含む

厚生年金は国民年金に上乗せして支給されます。そのため、厚生年金は手厚いといった印象をお持ちの方もいるでしょう。

実際に国民年金と厚生年金の平均月額を比較すると、2倍以上の差があります。

しかし、平均月額は「14万3973円」と十分とはいえない水準です。

平均値から考えると「月額30万円」を受け取ることは、確かに羨ましいことであり、高額受給者に該当するでしょう。

では、月額30万円を受給できる人はどれくらいいるのでしょうか。次章で確認していきます。