4月29日、1ドル160円台の円安水準を突破しました。これはおよそ34年ぶりということです。
この先、どこまで円安が進行するのかが注目されています。
お金に関する状況が目まぐるしく変わる中、「私たちの将来はどうなるのか」と不安に感じる人もたくさんいると思います。
自分たちの老後生活をイメージするときには、今老後生活を送っている方の状況を理解しておく必要があります。
そこで今回は、70歳の夫婦世帯がどんな生活を送っているのかについて着目し、貯蓄の状況や将来の収入となる年金額について確認していきます。
1. 【70歳代二人以上世帯】貯蓄額の平均・中央値は?
金融広報中央委員会「家計の金融行動に関する世論調査[二人以上世帯調査](令和5年)」より、70歳代・二人以上世帯の貯蓄事情を確認します(金融資産を保有していない世帯を含む)。
1.1 【70歳代・二人以上世帯の貯蓄額】平均と中央値
- 平均:1757万円
- 中央値:700万円
1.2 【70歳代・二人以上世帯の貯蓄額一覧表】(金融資産を保有していない世帯を含む)
- 金融資産非保有:19.2%
- 100万円未満:5.6%
- 100~200万円未満:5.1%
- 200~300万円未満:4.3%
- 300~400万円未満:4.7%
- 400~500万円未満:2.5%
- 500~700万円未満:6.2%
- 700~1000万円未満:5.8%
- 1000~1500万円未満:10.2%
- 1500~2000万円未満:6.6%
- 2000~3000万円未満:7.4%
- 3000万円以上:19.7%
70歳代の二人以上世帯の平均貯蓄額は1757万円ですが、中央値は700万円となっています。
平均と中央値で大きな差がありますが、平均は貯蓄額が多い世帯によって引き上げられます。
一方で中央値は一般的な世帯の実態を反映するため、貯蓄のようにデータ分布が広範な場合には、中央値を参考にするとよいでしょう。
3000万円以上の貯蓄を保有する世帯が19.7%と約2割を占める一方で、ほぼ同数の19.2%が貯蓄ゼロという結果が出ています。
1.3 70歳代の貯蓄実態
70歳代の世帯において、貯蓄額の分布は非常に広範です。
一部の世帯は十分な貯蓄を持っている一方で、貯蓄がほとんどないか、全くない状態という世帯も一定数見られます。
貯蓄が3000万円以上ある世帯は全体の約2割を占めていますが、このような世帯は一部の富裕層と考えられます。
富裕層とはいえ、現役時代から年金生活になることで多くの高齢世帯が老後の生活費に不安を覚えるでしょう。
70歳代ともなれば、すでに貯蓄の取り崩しが進んでいる世帯も多く、これが貯蓄額の減少に繋がっています。
では、現代のシニア世代は具体的にどの程度の公的年金を受給しているのでしょうか。