3. 年金だけで生活している高齢者は44%
厚生労働省 2022(令和4)年「国民生活基礎調査の概況」によると、年金だけで生活している世帯は4割程度となっています。
年金だけで生活するのが難しい場合、多くの世帯は他の収入源を確保しています。以下に、主な収入源を紹介します。
3.1 年金以外の収入源
- 貯蓄の取り崩し:多くの世帯が老後のために積み立てた貯蓄を取り崩して生活費を補っています。定期預金や投資信託など、様々な金融商品を活用して資金を確保している場合もあるでしょう。
- 退職金:定年退職時に受け取る退職金は、最も大きな一時収入として老後の生活費に充てられることも多いです。なお、このときに預貯金に入れっぱなしにせず、資産運用に充てる世帯もあります。
- 不動産収入:不動産を所有している場合は、家賃収入を生活費に充てることもできます。近年では、リバースモーゲージという自宅を担保に借り入れる手法も増加してきています。
- 就労収入:退職後も働く意欲のあるシニアは、パートタイムやアルバイトなどで収入を得ることもできます。シルバー人材センターなどの支援を利用して働く人が多いようですね。
年金だけで生活する世帯は4割程度とされていますが、保険料が税金が増えていく昨今では、年金のみで生活するのは難しいでしょう。
そのため、上記のように貯蓄の取り崩しや退職金、不動産収入、就労収入などを組み合わせて生活費を補うことが一般的です。
将来の生活設計をしっかりと行い、安心して老後を過ごせるように計画しておきましょう。
4. まとめにかえて
本記事では、70歳代夫婦世帯の貯金や年金の状況について確認しました。
貯蓄額や年金額の平均を確認していくと、十分とは言えない水準であることが分かりました。
年金に関しては将来的に減額されるのではないかということが言われており、老後を考えると不安が残ります。
お金に関する悩みが募る中、必要になるのは早いタイミングからの資産形成です。
日本ではNISAやiDeCoなど、私たちが効率よく資産形成するための制度が登場してきています。
「貯金だけしていれば十分」という考えを改め、計画的にお金を増やしていけるよう資産運用を検討してみるのがいいかもしれませんね。
※金額等は執筆時点での情報にもとづいています。
参考資料
- 金融広報中央委員会「家計の金融行動に関する世論調査[二人以上世帯調査](令和5年)」
- 厚生労働省年金局「令和4年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」
- 厚生労働省 2022(令和4)年「国民生活基礎調査の概況」
川勝 隆登