2. 70歳~79歳「貯蓄3000万円以上」を達成する世帯はどれほどか
続いて金融広報中央委員会「家計の金融行動に関する世論調査[二人以上世帯調査](令和5年)」より、70歳代・二人以上世帯の貯蓄事情を確認します(金融資産を保有していない世帯を含む)。
「貯蓄3000万円以上」を達成する世帯の割合に注目しましょう。
2.1 【70歳代・二人以上世帯】の貯蓄3000万円の割合
- 19.7%
2.2 【70歳代・二人以上世帯の貯蓄額】平均と中央値
- 平均:1757万円
- 中央値:700万円
2.3 【70歳代・二人以上世帯の貯蓄額一覧表】(金融資産を保有していない世帯を含む)
- 金融資産非保有:19.2%
- 100万円未満:5.6%
- 100~200万円未満:5.1%
- 200~300万円未満:4.3%
- 300~400万円未満:4.7%
- 400~500万円未満:2.5%
- 500~700万円未満:6.2%
- 700~1000万円未満:5.8%
- 1000~1500万円未満:10.2%
- 1500~2000万円未満:6.6%
- 2000~3000万円未満:7.4%
- 3000万円以上:19.7%
※金融資産保有額には預貯金のほか、投資信託、株式、保険などの金融商品残高が含まれています。
平均貯蓄額は1757万円ですが、より実態に近い中央値となると700万円まで下がります。
このうち、「貯蓄3000万円以上」を保有する世帯の割合は19.7%となりました。
まだ働く70歳代も含まれますが、すでに貯蓄の取り崩しが進んでいる世帯も多いと考えられます。現に、貯蓄ゼロの世帯が19.2%もいます。
貯蓄が3000万円あったとしても、取り崩しのペースによって安心とは言い切れないものです。
先ほど紹介した公的年金(厚生年金・国民年金)、あるいは独自に用意した個人年金保険なども重要になることがわかります。
これからの年金制度がどうなるかはわかりませんが、2024年度の年金額は2.7%の増額となりました。「年金が上がることもあるの?」と意外に思われるかもしれませんが、単純に喜べない背景もあるのです。