生きていく上で、切っても切れないのがお金の問題です。電気・ガス価格激変緩和対策事業も2024年5月使用分までとなり、今後の光熱費上昇に頭を悩ませる方もいるでしょう。
老後を迎えたあとも、お金の悩みは付きまとってきます。老後いくらあれば安心することができるのか、子供たちからお金を借りることなく過ごすことができるのか、このような不安を持たれている方も多いです。
一方で金融広報中央委員会が行った家計調査によると、70歳代夫婦世帯のうち貯蓄を3000万円以上保有する世帯は19.7%でした。
3000万円もあれば、悠々自適な老後の生活を過ごすことができそうですが、はたしてそうでしょうか。収入が限られる中、貯金を切り崩す生活を送るのは少なからずストレスを抱えるものです。
今回は老後生活の柱となる「厚生年金・国民年金」の平均受給額を確認しながら、70歳代夫婦世帯の貯蓄事情をチェックしていきます。ご自身の貯金額等と照らし合わせながら、確認してみてください。
1. 【厚生年金と国民年金】平均月額はいくら?一覧で見る
まずは厚生労働省年金局「令和4年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」より、70歳~79歳が受給している平均的な年金額を1歳刻みで見ていきましょう。
1.1 厚生年金の平均受給額
- 70歳:14万1350円
- 71歳:14万212円
- 72歳:14万2013円
- 73歳:14万5203円
- 74歳:14万4865円
- 75歳:14万4523円
- 76歳:14万4407円
- 77歳:14万6518円
- 78歳:14万7166円
- 79歳:14万8877円
1.2 国民年金の平均受給額
- 70歳:5万7320円
- 71歳:5万7294円
- 72歳:5万7092円
- 73歳:5万6945円
- 74歳:5万6852円
- 75歳:5万6659円
- 76歳:5万6453円
- 77歳:5万6017円
- 78歳:5万5981円
- 79歳:5万5652円
厚生年金の平均は14万円台、国民年金の平均は5万円台となっています。
なお、厚生年金の金額には国民年金部分が含まれています。国民年金との合計で約20万円になるわけではない点に留意しましょう。
ちなみに、全年代をあわせた平均受給額は以下のとおりです。
1.3 厚生年金の平均年金月額
- 〈全体〉平均年金月額:14万3973円
- 〈男性〉平均年金月額:16万3875円
- 〈女性〉平均年金月額:10万4878円
※国民年金部分を含む
1.4 国民年金(老齢基礎年金)の平均年金月額
- 〈全体〉平均年金月額:5万6316円
- 〈男性〉平均年金月額:5万8798円
- 〈女性〉平均年金月額:5万4426円
国民年金は1万円未満~7万円以上、厚生年金は1万円未満~30万円以上とそれぞれ個人差があります。
特に、厚生年金は現役時代の給与や賞与などの報酬と年金加入期間が年金額に影響するため、より個人差が大きくなります。
自分が将来受け取る見込年金額は、「ねんきん定期便」や「ねんきんネット」にて必ず確認しておきましょう。
次章では70歳代の貯蓄事情に迫ります。