大阪は水運の発達で経済・文化が栄えた都市で、明治の頃には「水の都」と呼ばれたそうです。この歴史を生かして進められている「水都大阪」という取り組みにより、水辺の魅力が増している大阪の街を楽しんではいかがでしょうか。今回は新大阪からスタートするルートでご紹介します。
まずは大阪の街を一望してみよう
大阪の玄関口の一つ、新幹線が停車する新大阪から大阪市北部の梅田エリアまではおよそ3キロ強、在来線で淀川を越えれば大阪駅(地下鉄は梅田駅)に到着です。ちなみに、淀川にかかる「上淀川」橋梁は728m。JR西日本の在来線においては3番目に長い橋梁です(「データで見るJR西日本 2017」より)。
その梅田の北側にある梅田スカイビルの空中庭園は、大阪の眺望を楽しむことができるスポットとして非常によく知られています。39階にはレストランやショップ、40階には展望フロア、屋上にはオープンエアの回廊「スカイ・ウォーク」がありますので、ここでまず、大阪の街を一望するのもおすすめです。
「もっと気軽に眺望を楽しむだけでいい」という方なら、大阪駅前第3ビル33階の展望スペースを利用するといいでしょう。簡単な手すりと大きな窓ガラスがあるだけのスペースですが、ビル内には飲食店などもあり、大阪駅からも地下街で結ばれているので便利です。
大阪の行政と経済を支える淀屋橋エリア
新大阪駅から地下鉄御堂筋線で4駅、梅田駅からは1駅の淀屋橋駅。この駅は大阪市役所の最寄り駅であり、周辺には日本銀行大阪支店、大阪市中央公会堂などが設けられ、駅の名前にもなった淀屋橋は国の重要文化財に指定されています。
日本銀行大阪支店では、平日には内部の見学もできます(予約が必要)。また、中央公会堂ではガイドツアーによる解説が受けられます(事前予約が必要、有料)。
水の上から楽しむ大阪の風景
淀屋橋にある淀屋橋港から大阪水上バス「アクアライナー」に乗船すると、大阪城天守閣や造幣局、大阪アメニティパーク(OAP)のビル群などの景色を、音声による解説とともに楽しむことができます。
大川を周遊する「大阪城・中之島めぐり」のコースは、1時間に1本の水上バスが運航しています。大阪城港、淀屋橋港、八軒家浜船着場、OAP港の4か所の乗り場から乗船することができ、およそ55分の水上観光を楽しんだ後、乗船した乗り場へ戻って下船することになります。
水上バスは屋根つきで、天井がとても低いのが特徴です。数々の橋の下をくぐる際、安全に航行するための設計だそうです。水面に低く貼りついているような印象の水上バスに乗りこみ、着席して窓から外を見ると、川面に写りこんだ景色や波しぶきが手の届きそうなほど近くに見え、冷房の効果以上に、水の涼しさを感じることができます。
京阪電車で京都に足を伸ばそう
アクアライナーの乗り場が至近にある淀屋橋駅から京阪電車・京阪本線特急に乗車すると、50分ほどで京都・祇園四条に到着します。
祇園四条で下車すると、人通りがとても多い四条大橋や日本最古の劇場である南座などがあり、四条通に沿って東へ進むと全国の八坂神社の総本社である八坂神社があります。
この地域では、舞妓さんや芸妓さん、花魁などの衣装を着け、プロのヘアメイクさんに白塗りメイクをしてもらって写真撮影をすることができるお店があります。お店によっては屋外での撮影や散策までできる場合も。休日や祝日は非常に混み合うので、事前に予約をしましょう。
どうしても予約が取れなかった場合は、大阪や奈良にも同じようなスタジオがありますので、あきらめずに探してみてはいかがでしょうか。
京阪電車は「京阪電車沿線MAP」という企画を2018年4月28日から開始。京阪電車の各駅から、駅周辺を散歩して再び駅に戻るまでのルートを設定したマップを配布します。散歩の時間は60分、90分、120分の3種類が設定されていますので、時間や体力の都合に合わせて選ぶことができます。
関西で楽しいゴールデンウィークを過ごすために
万が一、旅行中に急病にかかった場合、大阪府では「大阪府医療機関情報システム」を利用して診療中の医療機関情報を探すことができます。京都府には「京都健康医療よろずネット」が、奈良県には「なら医療情報ネット」があります。
健康保険証を持たずに医療機関を受診することになってしまった場合は、病院窓口でいったん全額を支払うことになります。しかし、後に「療養費」の申請をすることで、自己負担分を超える金額を払い戻してもらうことができます。健康管理にも気をつけて、楽しい関西の旅をお過ごしください。
河野 陽炎