2. シニア世代の貯蓄額【平均値と中央値】

金融広報中央委員会「家計の金融行動に関する世論調査(令和5年)」から、シニア世代の貯蓄状況を見てみましょう。

2.1 二人以上世帯の貯蓄額

<60歳代>

  • 平均値:2026万円
  • 中央値:700万円

<70歳代>

  • 平均値:1757万円
  • 中央値:700万円

2.2 単身世帯の貯蓄額

<60歳代>

  • 平均値:1468万円
  • 中央値:210万円

<70歳代>

  • 平均値:1529万円
  • 中央値:500万円

より実態に近いとされる中央値を見ると、二人以上世帯ではどちらの世代も700万円です。

なお、単身世帯では60歳代が210万円、70歳代が500万円となっています。

仮に毎月3万円の赤字が続くとすれば、20年間で720万円、30年間で1080万円不足する計算です。

現在のシニア世代の多くは、満足に貯蓄できているとはいえないと感じる方もいるのではないでしょうか。

続いて、公的年金の平均受給額を見てみましょう。

3. 厚生年金の平均受給額は約14万円

公的年金の受給額は個人差があり、特に収入と加入期間に左右される厚生年金の受給額には大きな差が生まれます。

厚生労働省年金局「令和4年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」によると、厚生年金保険(第1号) 受給権者の平均年金月額は14万3973円、国民年金は5万6316円でした。

男女別の平均年金月額を見ると、以下のようになっています。

3.1 男性の平均年金月額

  • 厚生年金:16万3875円
  • 国民年金:5万8798円

3.2 女性の平均年金月額

  • 厚生年金:10万4878円
  • 国民年金:5万4426円

自営業やフリーランス、専業主婦(夫)など、厚生年金の上乗せがない(または少ない)場合、年金のみで生活するのは現実的ではありません。

老後生活を見据えて早めに準備を始めておく必要があるでしょう。