4. 年金収入の手取り額はいくらになる?
では最後に、年金からどのくらい天引きされるのか、手取り額はどのくらいになるのかを確認していきましょう。
年金から天引きされる額は、収入や地域、年齢、世帯状況によって異なるため、個人差が生じやすいです。
参考までに総務省の「家計調査報告 家計収支編 2023年(令和5年)平均結果の概要」によると、65歳以上無職の単身・夫婦のみ世帯の家計収支は下記のようになっています。
4.1 【65歳以上の単身無職世帯(高齢単身無職世帯)の家計収入】
- 実収入:12万6905円
- 内、社会保障給付:11万8230円
- 非消費支出:1万2243円
- 可処分所得:11万4663円
4.2 【65歳以上の夫婦のみ無職世帯(夫婦高齢者無職世帯)の家計収入】
- 実収入:24万4580円
- 内、社会保障給付:21万8441円
- 非消費支出:3万1538円
- 可処分所得:21万3042円
上記の図をみると、年金収入を主とした高齢単身世帯・夫婦のみの世帯ともに、収入の10%〜15%ほど天引きされていることがわかります。
これらはあくまでも平均額となっていますが、老後の生活設計を「手取り額」で考える際の参考にすると良いでしょう。
5. 6月に送付される「年金振込通知書」を確認しよう
本記事では、公的年金「国民年金・厚生年金」から天引きされる4つのお金について解説していきました。
冒頭でもお伝えしたように2024年度の年金額改定後の初めての年金振り込みは「6月」となるため、そのタイミングにあわせて年金受給者には「年金振込通知書」が送付されます。
年金振込通知書には、「額面の金額」「実際の手取り額」「それぞれ天引き額」が記載されているため、必ず確認をしましょう。
まだ年金受給をしていない方は、毎年誕生月に届く「ねんきん定期便」に、将来受け取れる年金見込額(額面の金額)が記載されているため、そこから手取り額を算出してみることをおすすめします。
参考資料
- 日本年金機構「公的年金制度の種類と加入する制度」
- 日本年金機構「年金振込通知書」
- 厚生労働省「令和6年度の年金額改定についてお知らせします」
- 厚生労働省年金局「令和4年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」
- 国税庁「No.1600 公的年金等の課税関係」
- 国税庁「復興特別所得税(源泉徴収関係)Q&A」
- 総務省「公的年金からの特別徴収」
- いわき市「年金を受給されている65歳以上の方の個人住民税(市民税・県民税)の年金特別徴収について」
- 日本年金機構「年金Q&A(年金からの介護保険料などの徴収)」
- 総務省「家計調査報告 家計収支編 2023年(令和5年)平均結果の概要」
和田 直子