物価が上がり続けており、生活者の多くはモノの値段が上がることで生活が苦しくなっています。
現役世代の方も大変ですが、高齢者の多くは収入の中心が公的年金であり、年金はスライド率が上昇していますが、公的年金も物価には追いついていません。
現在の制度では、一定基準額以下の年金受給者への給付金制度があります。今回はこの「年金生活者支援給付金」制度について詳しくみていきましょう。
記事後半では、この制度の対象かどうかを判断する給付額の計算方法も解説します。
1. 【解説】そもそも「年金生活者支援給付金」とはどんな制度?
そもそも「年金生活者支援給付金」とは、どういった制度なのでしょうか。
この制度は、公的年金等の収入やその他の所得等が一定基準額以下の年金受給者の生活支援をするために、公的年金に上乗せして支給されるものです。
公的年金の受給要件に該当しない場合は、年金生活者支援給付金も受給することができません。
厚生労働省のサイトに記載されている要件は、以下の通りです。
1.1 「年金生活者支援給付金」の支給要件
- 65歳以上で、老齢基礎年金を受けている方
- 年金生活者支援給付金を請求する方の世帯全員の市町村民税が非課税の方
- 前年の年金収入金額(遺族年金や障害年金は含みません)とその他の所得の合計が87万8900円以下の方
ちなみに、収入が77万8900円を超え、かつ87万8900円以下である場合には「補足的老齢年金生活者支援給付金」が支給されます。
老齢年金生活者支援給付金は、所得基準額を少しでも超えると受給できません。
その結果、所得基準額を少し超える人よりも老齢年金生活者支援給付金の受給者の所得総額が多くなります。
こうした逆転現象がないよう所得基準額を超える一定の人が受給できるのが「補足的老齢年金生活者支援給付金」。給付額は、所得の増加に応じて減る仕組みです。
なお、旧法の老齢年金や旧共済の退職年金、その他の老齢や退職を支給事由とする年金で、政令で定める年金についても対象となる場合があります。
詳しくは、年金事務所などで確認してみてください。
次の章からは「年金生活者支援給付金」の具体的な給付額などをチェックしながら、モデル給付例をチェックしていきましょう。