春の大型連休は、日頃なかなかできないお墓参りをされた人もいるでしょう。
「一人っ子の我が子に、将来、夫婦の実家の墓守を任せるのは負担が重いだろう」といった漠然とした不安から、墓じまいがふと頭をよぎることがあるのは筆者だけでしょうか。
少子化が進むいま、お墓を継承する立場にある若者たちの意識も変化しています。結婚したり子どもを持つ以外のライフスタイルを選択する人も増えていますから、跡継ぎを必要としない、もしくは引き継ぐ人への負担が軽い供養のスタイルを検討する人は増えていくでしょう。
終活の一環として、自分が入るお墓は自分で決めるという人も増えています。「あの世に行ってまで舅姑と一緒なんて冗談じゃない」「幼なじみたちと共同でお墓を作りたい」など思いは人それぞれ。
今回は調査結果などをもとにイマドキのお墓事情を探っていきます。「実家のお墓、どうしよう」と考え始めた方、そしてその予備軍のみなさんも、このゴールデンウィーク中にちょっとだけ考えてみませんか?お墓のこと。
1. お墓のスタイル色々「新しい供養の形」とは
少子化、核家族化がすすむいま、ライフスタイルの変化にともないお墓選びにも新しい傾向が。いわゆる昔ながらの「一般墓」のほか、納骨堂や樹木葬など新しいスタイルのお墓に注目する人が増えています。
株式会社アンカレッジが2023年12月に公表した「家族で迎える新年の決断!2023年お墓選び完全ガイド」によると、
お墓の購入で最も人気が高かったのは「樹木葬」。次いで、納骨堂、一般墓でした。承継者を必要としない供養の方法に注目する人は多いようです。
1.1 昔ながらのお墓から、自然に還る樹木葬まで
さまざまな供養のスタイルがあるこんにち。同調査では、人気のスタイルを大きく4タイプに分けて紹介しています。
1.2 樹木葬
野山の中に散骨、墓標が樹木、自然に囲まれた環境。庭苑型、公園型、里山型などのスタイルがあるのが特徴。
自然環境にやさしく、「自然に還りたい」という気持ちがある人にはおすすめです。(平均価格66.9万円)
1.3 納骨堂
遺骨を収納できる室内施設のこと。仏壇式、ロッカー式、自動搬送式などのスタイルがあります。
天候に左右されず手軽にお墓参りをすることができるので、お墓の維持管理を簡単にしたい人にはおすすめのスタイルと言えるでしょう。(平均価格77.6万円)
1.4 一般墓
いわゆる昔ながらの伝統的なお墓ですね。墓石に苗字を刻み、先祖代々引き継がれていくことを前提とした供養のスタイルです。家族の歴史を大切にしたいと考えるご家庭ならば、絶対に一般墓を選びたいというケースもあるでしょう。(平均価格152.4万円)
1.5 合同墓(合祀墓・共同墓・共同葬)
血縁関係がある人以外の遺骨もいっしょに安置されるお墓です。費用を極力おさえ、将来の供養をまるっとお任せできる点で魅力を感じる人も多いでしょう。(平均価格3~30万円)
新しい供養のスタイルについて触れたところで、本題の「墓じまい」の話に入りましょう。