4. 65歳以上の約8割が「介護費用は自分の資産から出すつもり」だが……。
ちなみに、内閣府が公表する「令和4年 高齢者の健康に関する調査結果」では、65歳以上男女の8割以上が排せつなどの介護が必要となった際、年金や貯蓄など「自分の資産」から介護費用をまかなうつもりだと答えています。
現役時代にしっかりと資産形成ができている場合や、今の住まいを処分して施設費用を捻出できると想定している場合も、実はちょっと注意が必要です。
認知症で判断能力が衰えた場合、金融機関の口座が凍結されたり、不動産の売買契約が結べなくなったりする可能性も。
これまで準備してきた資金を介護費用として活用できないとなれば、介護計画そのものだけではなく、子ども世帯の暮らしに大きな影響が出てくる可能性も。
ある一定の年齢になったら、家族信託や任意後見といった制度の活用も検討しながら「いつか来るかもしれないそのとき」に備えていけたら良いですね。
参考資料
- 厚生労働省「令和6年度の年金額改定についてお知らせします~年金額は前年度から 2.7%の引上げです~」
- 厚生労働省「令和4年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」
- 金融広報中央委員会「家計の金融行動に関する世論調査[単身世帯調査] 令和4年調査結果」
- 金融広報中央委員会「家計の金融行動に関する世論調査[二人以上世帯調査] 令和4年調査結果」
- 生命保険文化センター「2021(令和3)年度 生命保険に関する 全国実態調査 」(2021年12月)
- 内閣府「令和4年 高齢者の健康に関する調査結果」
吉沢 良子