2024年、次回の年金支給日は6月14日です。
厚生労働省が先ごろ公表した最新のデータによると、2024年度の公的年金額は前年比で2.7%増加し、多くの受給者にとってうれしいニュースとなったのではないでしょうか。
年金の増加は、特に中高年の方が自らの将来について計画を立てる上で参考になる材料です。
特に40歳や50歳を迎えると、多くの人々が自身の退職後の資金状況を真剣に考えるでしょう。しかし、具体的な受給額について詳しく知らない人も多く、これが計画における大きな障壁となることもあります。
公的年金制度は複雑に見えます。今日の不安定な経済状況の中、これらの情報を理解し活用することは、安定した老後生活への重要な一歩と言えるでしょう。
そこで本記事では、厚生労働省が2023年12月に公表した最新のデータを基に、厚生年金と国民年金の具体的な受給額を詳細に解説します。
1. 厚生年金と国民年金とは?公的年金の仕組み
日本の公的年金は、国民年金と厚生年金の2階建てになっています。
1.1 国民年金(1階部分)
- 原則、日本国内に住む20歳以上60歳未満の全員に加入義務がある
- 保険料は一律
- 納付した期間に応じて将来もらえる年金額が決まる
1.2 厚生年金(2階部分)
- 公務員やサラリーマンなどが加入する
- 収入に応じた保険料を支払う(上限あり)
- 加入期間や納付額に応じて将来もらえる年金額が決まる
個人によって加入する年金や納付期間が異なるため、将来の年金受給額には個人差があります。
特に厚生年金は年収に応じた保険料を支払うため、より個人差が大きくなっています。
つづいて、本題である、厚生年金14万円以上もらえる人はどのくらいいるかもチェックしていきます。
2. 「厚生年金」60歳~90歳以上の年金月額は平均でいくら?【最新の年金一覧表】
ここからは、今のシニアの年金受給額の実態を見ていきましょう。
厚生労働省の「令和4年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」をもとに、平均年金月額を年齢別にチェックしていきます。
※以下の厚生年金は、すべて国民年金部分を含んでいます。
2.1 厚生年金の平均月額(60歳~69歳)
- 60歳:厚生年金9万4853円
- 61歳:厚生年金9万1675円
- 62歳:厚生年金6万1942円
- 63歳:厚生年金6万4514円
- 64歳:厚生年金7万9536円
- 65歳:厚生年金14万3504円
- 66歳:厚生年金14万6891円
- 67歳:厚生年金14万5757円
- 68歳:厚生年金14万3898円
- 69歳:厚生年金14万1881円
2.2 厚生年金の平均月額(70歳~79歳)
- 70歳:厚生年金14万1350円
- 71歳:厚生年金14万212円
- 72歳:厚生年金14万2013円
- 73歳:厚生年金14万5203円
- 74歳:厚生年金14万4865円
- 75歳:厚生年金14万4523円
- 76歳:厚生年金14万4407円
- 77歳:厚生年金14万6518円
- 78歳:厚生年金14万7166円
- 79歳:厚生年金14万8877円
2.3 厚生年金の平均月額(80歳~89歳)
- 80歳:厚生年金15万1109円
- 81歳:厚生年金15万3337円
- 82歳:厚生年金15万5885円
- 83歳:厚生年金15万7324円
- 84歳:厚生年金15万8939円
- 85歳:厚生年金15万9289円
- 86歳:厚生年金15万9900円
- 87歳:厚生年金16万732円
- 88歳:厚生年金16万535円
- 89歳:厚生年金15万9453円
2.4 厚生年金の平均月額(90歳以上)
- 90歳以上:厚生年金15万8753円
通常の年金受給開始年齢である65歳以降の平均年金は、14万~16万円程度です。
全年齢を対象にした平均月額は14万3973円ですが、厚生年金は収入に応じた保険料を支払うため(上限あり)、個人差が大きいという特徴があります。