2024年1月19日、厚生労働省より「2024年度の年金額の例」が発表されました。厚生年金と国民年金ともに増額となっています。

物価も上昇している中、年金生活を送っているシニア世代にとっては嬉しいニュースといえるでしょう。また、増額後の年金給付は6月支給分からとなります。

年金を受給している方には、毎年6月に年金振込通知書が送付され、翌年4月までの受給額を確認することができます。

受給額が気になる方は、手元に届き次第忘れずに確認するようにしましょう。

この記事では、2024年度の厚生年金と国民年金の受給額を解説するとともに、実際に受給している方の平均受給額や、それぞれの年金の計算方法などを紹介していきます。

1. 【2024年度の厚生年金・国民年金は増額へ】初回振込は6月14日

厚生労働省は、2024年度の年金額の例を発表しました。

下記のとおり、2023年度から2.7%の増額となります。

【写真4枚】1枚目/2024年度「国民年金・厚生年金」年金額の例、2枚目以降で年金月額をチェックする

2024年度の年金額の例

出所:厚生労働省「令和6年度の年金額改定についてお知らせします ~年金額は前年度から 2.7%の引上げです~」

【67歳以下新規裁定者の年金額の例】

  • 国民年金(1人分※1):6万8000円(前年度比+1750円)
  • 厚生年金(夫婦2人分※2):23万483円(前年度比+6001円)

※1昭和31年4月1日以前生まれの方の老齢基礎年金(満額1人分)は、月額6万7808円(対前年度比+1758円)です。

※2平均的な収入(平均標準報酬(賞与含む月額換算)43万9000円)で40年間就業した場合に受け取り始める年金(老齢厚生年金と2人分の老齢基礎年金(満額))の給付水準。

国民年金は2023年度からひと月あたり1750円、年額にすると2万1000円の増額となります。

厚生年金はモデル夫婦2人分の年金額例ですが、ひと月あたり6001円、年額で7万2012円の増額です。

なお、今年度の年金額増額については、実質的には目減りとなることもあわせて理解しておきましょう。

2023年度の物価上昇率は3.2%であるのに対し、年金額の増額は2.7%にとどまっています。

賃金や物価の上昇を背景に年金額を増額させる必要がある中で、保険料を納付する現役世代の負担が大きくなり過ぎないよう、調整が行われているのです。

2. 6月送付の「年金振込通知書」で実際の振込額の確認を!

冒頭でも触れたとおり、年金受給者には6月に「年金振込通知書」が送付されます。

翌年4月支給分までの年金額(額面)、各種控除額、実際の振込額(手取り額)などが記載されていますので、確認しておきましょう。

年金振込通知書

年金振込通知書

出所:日本年金機構「年金振込通知書」

なお、住民税や社会保険料については、前年度の所得額をもとに決定するため8月以降の控除額・振込額が変更となる場合があります。

年金振込額に変更となる場合には、別途変更の通知書が送付されます。

年金に関する通知物には必ず目を通すようにご留意ください。

さて、かつて話題となった老後2000万円問題以降、年金生活に対して不安が高まる一方ですが、いまのシニア世代は年金をどれくらい受け取っているのでしょうか。

次章で「国民年金・厚生年金」の受給額をみていきましょう。