子どもの成長過程で家庭と同じくらい大きな存在なのが「学校」です。

勉強だけでなく集団生活を通じてクラスメイトと力を合わせることの大切さを学ぶ場でもあります。

子ども達をまとめたり、授業をし勉強を教えたりする役割を担っているのが「先生」になります。一口に先生といっても、非常勤講師や正規雇用と雇用体系を問わず「学校で子ども達に教えている人」と認識されています。

学校生活には欠かせない職種ですが、近年は教員不足がニュースなどで大きく取り上げられることも増えてきています。

深刻な教員不足解消に向けて、文部科学省は正規教員に採用された大学院生を対象に「奨学金返済全額免除」の方針を固めたことが分かりました。

1. 子どもの学びにも影響する「教師不足」

令和4年1月に発表された文部科学省「教師不足」に関する実態調査では、教師不足が深刻な状況になっていることがわかる。2枚目では詳細な「教師不足」の状況がわかります。

文部科学省「教師不足に関する実態調査」

出所:文部科学省「教師不足」に関する実態調査

教員不足は少子化の中で起きていることもあり、不思議に思われることも多いです。
子どもの数が明らかに減少しているのに先生が足りていないというのは、摩訶不思議な出来事です。

昭和の頃のように40人の生徒を一人の先生がマンパワーで指導するスタイルから脱却し、きめ細かい指導が行われています。公立小学校でも算数などで子どもの理解力を深めるため少人数制の授業を行うことは珍しくありません。

そのため、時代に即した指導を行う場合、少子化であっても先生の数が足りないというのが実情です。

団塊世代の教員の退職による先生の数の減少や、正規採用の枠を限定し非正規採用に頼っていったこと、産休育休や病気による休職者や教育採用試験の倍率低迷が同時進行で起き、教員不足を解消する手だてがなかなか見つからない状態が続いています。

文部科学省が2022年に発表した「教師不足に関する実態調査」によると、2021年の始業日時点での公立小学校・中学校と高校、特別支援学校での教師不足人数は、合計2558人ということが分かり、深刻な状況は新聞などのメディアでも大きく取り上げられました。

なお、不足人数「2558人」の内訳は、公立小学校・中学校(2086人)と高校(217人)、特別支援学校(255人)となっています。