3. ミドル層・シニア層は20歳代の学生が多い環境に馴染めるのか?

社会人の大学進学率は増加傾向にあるとはいえ、それでもキャンパスの大半を占めるのは10歳代、20歳代の学生です。

社会人入学を検討中の方の中には「若い子たちとうまくやっていけるのか」「大学で浮かないか」などと不安に思う方もいるのではないでしょうか。

その人の性格やコミュニケーション力などにもよりますが、社会人学生が学内での人間関係に悩むケースは少ないとみて取れます。

また、10歳代や20歳代の学生であっても、「友人ができない」「周囲と馴染めない」などと悩む人は珍しくないため、大学における人間関係の悩みが年齢のみの理由で生じるケースはあまり考えられないでしょう。

大学には語学やゼミなど少人数、かつ他の学生とのコミュニケーションが必要な講義もありますが、他の学生とうちとけ、楽しむ社会人学生は多いくいす。

大学には浪人生や留学生などさまざまなバッググラウンドの学生がいますし、社会人学生の存在も周知されているため、親や祖父母世代の学友に対して違和感を抱くような人はあまりいません。

ミドル層の芸能人が10歳代、20歳代の同級生と学食を食べたり、講義の前後に食事に行ったりと、キャンパスライフを謳歌する姿がメディアで取り上げられることもあります。

芸能人でなくても周囲と打ち解け、学食を一緒に食べたり、講義の合間に雑談を楽しんだりする社会人学生もいます。

サークル活動や大学のイベントにも積極的に参加し、学生生活を満遍なく楽しむ社会人学生もいますよ。

大学という共通のコミュニティに属し、一日の大半を過ごしていれば、講義や学問など話題は尽きないのでしょう。

4. まとめにかえて

近年、少子化の影響を受けて大学をとりまく環境は厳しいものです。大学進学率は上昇しているものの、子どもの数が少ないため、定員を満たせない大学も多々あります。

そうした中で、大学進学を希望する社会人が増えています。ビジネスマンとしてのスキルアップを目的に進学する人や、興味のある学問を深めたいという思いで進学する人などさまざまです。

社会人学生の多くは学びに積極的で、探求心に満ち溢れている傾向にあります。また、すばらしい研究実績を残す方も多いです。

大学の存続や国内における研究力向上・学問分野の活性化にはミドル層、シニア層が鍵となるといえるでしょう。

参考資料

西田 梨紗