2024年4月15日、高岡法科大学(富山県)が今年の入学者を最後に学生募集を停止する意向を発表。早ければ全学生が卒業する2028年春、大学廃止の認可を申請するとのことでした。
また、昨年は恵泉女学園大学(東京都)なども2024年以降の学生募集を停止すると発表。その他、志願者増が見込めないなどと判断し、募集を停止する大学は少なく有りません。
地方大学や女子大をとりまく状況は、少子高齢化などの影響で今後さらに厳しくなることが見込まれます。
文部科学省「参考資料集(令和5年9月25日)」では、私立短大の86%が入学定員未充足、中小私短大の収支状況は約7割が赤字傾向にあると説明されています。
こうした中で、大学が頼るのは社会人経験を経て進学してくる学生の存在。近年、社会人入学者は増加しており、この傾向は今後も続くと予想できます。
本記事では、近年において社会人入学者が増加する背景や彼らが大学進学を希望する理由を解説します。記事の後半では、最近の社会人トレンドともいえる
1. 社会人入学者は平成20年度から増加傾向にある
先にご紹介した文部科学省「参考資料集 令和5年9月25日」によると、大学に進学する社会人は平成20年度から上昇。調査時の最新年度である2021年度が最多となっています。
筆者の肌感覚としても、現在の大学キャンパスには20歳代以上の学生が決して少なくないと感じます。
バリバリ働く現役世代で仕事を辞め、通常の大学(通信制でない)に通われている方や、大学院で研究に励むシニア層の方も少なくありません。
また、通信制の大学には仕事と両立して学ばれている方もいます。
それではなぜ、社会人による大学進学が増えているのでしょうか。次の章から詳しくみていきましょう。