2026年7月3日に金融庁が公表した「NISA・ジュニアNISA口座の利用状況に関する調査結果の公表について」によると、2025年12月末時点でのNISA(一般・つみたて)の買付額はおよそ71兆円にものぼります。

インフレや将来の年金への不安から、「自分もそろそろ新NISAを始めなきゃ…でも、毎月いくら積み立てればいいの?」と悩んでいませんか?無理な金額を設定して日々の生活が苦しくなるのは避けたいですよね。

Job総研(パーソルキャリア株式会社)「2024年 老後資金の意識調査」にて、「1カ月に投資・資産運用にまわす額」は中央値・最頻値がともに3万円であることがわかっています。

そこで本記事では、投資経験者のアンケートでも最も回答が多かった「毎月3万円」を新NISAで20年間積み立てた場合のリアルな運用結果をシミュレーションしました。

利回り3%のケースと5%のケースを比較し、将来どれくらいの資産が築けるのかを具体的にイメージできる内容になっています。2024年からパワーアップした新NISAの仕組みもおさらいできるため、これから投資デビューを考えている方はぜひ最後までご覧ください。

ココがポイント
  • より長期的な運用が可能になった「新NISA制度」の仕組みと変更点
  • 投資経験者のリアルな実態!毎月の積立額は「3万円」が多数派
  • 「月3万円×20年」の積立シミュレーション結果(年利3%・5%の比較)

1. 新NISA(ニーサ)制度をおさらい

2014年1月に創設され、2024年1月に生まれ変わった「NISA(ニーサ:少額投資非課税制度)」。

まずは新NISA制度について、その概要をまとめた記事「新NISAは何歳から始められる?18歳以上の対象年齢と旧制度からの変更点・仕組みが初心者でもスッキリわかる基礎知識」から引用しておさらいしましょう。

【写真全4枚中1枚目】新NISAのポイント。2枚目ではNISAの意識調査の結果を紹介1/4

新NISAのポイント

出所:金融庁「NISAを知る」を元にLIMO編集部にて作成

新NISAを分かりやすく理解するには、旧制度からの「変更点」と「2つの枠の仕組み」をセットで把握するのが最も近道です。

1.1 旧制度からの大きな変更点

非課税期間の無期限化:旧制度では5年や20年といった期限がありましたが、新NISAは売却するまで一生涯非課税が続きます。

制度の併用が可能に:以前は「つみたてNISA」か「一般NISA」のどちらか1つしか選べませんでしたが、新NISAでは「つみたて投資枠」と「成長投資枠」を同じ口座内で同時に利用できるようになりました。

投資枠の大幅な拡大:年間で最大360万円(つみたて投資枠120万+成長投資枠240万)、生涯で最大1800万円まで投資が可能になりました。

枠の再利用(復活)が可能に:保有している商品を売却した場合、その売却した分の元本(取得価額)の枠が、翌年以降に復活し、再び投資に使えるようになりました。

出所:「新NISAは何歳から始められる?18歳以上の対象年齢と旧制度からの変更点・仕組みが初心者でもスッキリわかる基礎知識」

上記のように、これまでのNISAと比べてより長期的な運用ができるようになりました。

インフレや高齢化が進む日本では、このような非課税制度を活用した老後資金の備えについて考える人が増えてきています。

では、NISAを活用している人は毎月どのくらいの金額を投資しているのでしょうか。次章で意識調査の結果を紹介します。

2. 【最新の意識調査】新NISAでの積立額は「月3万円」が最多

Job総研(パーソルキャリア株式会社)が「2024年 老後資金の意識調査」を実施。調査概要は下記のとおりです。

  • 調査方法:インターネット調査
  • 調査対象:現在職を持つすべての社会人(20歳代~50歳代)
  • アンケート母数:男女合計660名(全国)
  • 実施日:2024年1月3日~1月9日
  • 調査会社:パーソルキャリア株式会社
  • リリース公開日:2024年1月29日

2.1 個人投資家に支持される「NISA・つみたてNISA」、毎月の投資額は「3万円」

【写真全4枚中2枚目】投資・資産運用経験者に聞いた、投資・資産運用の種類2/4

【老後資金】投資・資産運用経験者に聞いた、投資・資産運用の種類

出所:Job総研(パーソルキャリア株式会社)「2024年 老後資金の意識調査」

現在、投資・資産運用をしていると回答した496人に運用の種類を聞いたところ「NISA・つみたてNISA」(65.1%)が最多という結果となりました。

次いで「株式」が35.7%、「投資信託」が33.1%と続きます。

また、同回答者に尋ねた「投資・資産運用にまわす1ヶ月あたりの額」は平均が8万8000円、中央値・最頻値がともに3万円となりました。

自分に無理のない範囲から資金を捻出し、資産運用にシフトする人が増えてきていることが分かります。

今回は、2024年にスタートした「新NISA」を例に、月額3万円での積立投資をシミュレーションしていきましょう。

毎月3万円を20年間積み立てたら、元本の「720万円」はどれぐらい成長するのでしょうか?ここからは、資産運用のシミュレーション結果を掲載していきます。

3. 【積立投資シミュレーション】「月3万円・20年間」を利回り3%で運用できた場合

では、新NISAのつみたて投資枠で「月3万円・20年間」で運用した場合、年率ごとにどれくらいのパフォーマンスが出るのかを確認しましょう。

今回は利回り(年率)3%で運用できたと仮定して試算します。

【写真全4枚中3枚目】月3万円・20年間・年率3%で資産運用した場合のシミュレーション3/4

月3万円・20年間・年率3%で資産運用した場合のシミュレーション

出所:金融庁「資産運用シミュレーション」

【シミュレーション結果】

  • 元利合計:984万9000円(元本720万円+利益264万9000円)

上記を見ると、20年間で約1000万円近い金額となり、そのうち約264万円は利益でした。

ちなみに通常は利益に対して約2割が課税されますので、約50万円引かれることになります。

その点NISAは利益が非課税となるところも、大きなメリットといえそうです。

4. 【積立投資シミュレーション】「月3万円・20年間」を利回り5%で運用できた場合

次に利回り(年率)5%で運用できた場合を見ていきましょう。

【写真全4枚中4枚目】月3万円・20年間・年率5%で資産運用した場合のシミュレーション4/4

月3万円・20年間・年率5%で資産運用した場合のシミュレーション

出所:金融庁「資産運用シミュレーション」

【シミュレーション結果】

  • 元利合計:1233万1000円(元本720万円+利益513万1000円)

5%では利益部分だけで約500万円にもなり、総額は1000万円を超えました。

毎月3万円の積立なら、家計のやりくりで捻出できる可能性も十分にあるでしょう。

NISAでの資産形成はメリットだけではなく、元本割れなどのリスクも存在します。

しかし、今回のシミュレーション結果からもわかるように、長期投資によるメリットは大きく、また、つみたて投資を活用することで考えられるリスクを分散することが可能です。

新NISAでの積立投資を検討している方は、ぜひ長期的な投資を視野に入れてみてください。

5. 新NISAを活用して老後への資産形成をスタート

これまで、新NISAの制度や意識調査を解説し、実際のシミュレーション結果を確認してきました。

NISA制度での運用は元本割れのリスクが伴いますが、分散投資や長期投資をすることでリスクを低減させることができます。

高齢化やインフレが進む日本では、自助努力による資産形成が求められています。

今回のシミュレーション結果を参考に、今後の資産形成の参考にしてみてくださいね。

6. 本記事の監修を終えて:新NISAで資産運用を行う元FP会社職員の監修者コメント

監修者画像
下村 美乃莉

今回のシミュレーション結果からもわかるように、月3万円×20年間の運用を行うと、年利3%でも約984万9000円と1000万円に近い資産を築くことができ、年利5%であれば約1233万1000円と大台の1000万円を超える結果となります。

日本では半数以上の人が預金のみで貯蓄を行っています(出所:日本銀行「資金循環 日米欧比較」)が、現在の普通預金の利率は年利0.3%前後と、投資性金融商品と比べると非常に低くなっています。記事内のシミュレーションが示す通り、利回りの高さによって将来の資産の増え幅は劇的に変わります。だからこそ、少額であっても「早くからコンスタントに運用を継続すること」が、資産を作るうえで非常に大切なのです。

▶ 関連記事:【月3万円×20年】預金と新NISAの資産差はいくら?「利回り5%の積立投資 VS 金利0.3%の銀行預金」シミュレーションで徹底比較

ちなみに私自身も、毎月2万円をコンスタントに維持できるように家計をやりくりし、ボーナス時など余裕があるときに買い増しを行う運用スタイルを実践しています。新NISAの素晴らしい点は、手軽に積立金額を変更できること。結婚や転居といったライフイベントによる急な出費に対しても柔軟に積立額を調整できるため、心理的な負担も小さく、非常に始めやすい制度といえます。

なお、この長期運用の圧倒的な成果を支えている「複利効果」の威力や注意点についてさらに詳しく知りたい方は、以下の記事もぜひあわせてお読みください。

▶ 関連記事:新NISAで毎月5万・10万円積み立てるといくら?シミュレーションと見落としがちな罠とは?長期投資で失敗しないための実務的な防衛策

無理のない金額から第一歩を踏み出し、時間を味方につけた着実な資産形成をスタートさせていきましょう。

参考資料

中本 智恵