3. 【老齢年金】令和6年度の年金額は”実質減額”
令和6年度の年金額例は、下記のとおり決まっています。初回支給日は6月14日に迫りました。
3.1 令和6年度の国民年金(老齢基礎年金)
- 1人あたり6万8000円※1
昨年度は6万6250円だったので、月額1750の増額です。
※1昭和31年4月1日以前生まれの方の老齢基礎年金(満額1人分)は、月額6万7808円(対前年度比+1758円)です。
3.2 令和6年度の厚生年金(老齢厚生年金)
- 23万483円(夫婦2人分※2)
※2平均的な収入(平均標準報酬(賞与含む月額換算)43万9000円)で40年間就業した場合に受け取り始める年金(老齢厚生年金と2人分の老齢基礎年金(満額))の給付水準
厚生年金の金額は夫婦2人分となっており、「40年間会社員として月額43万9000円を稼いだ夫の厚生年金と国民年金」と「40年間専業主婦(もしくは自営業など)だった妻」が想定されています。
同じ夫婦世帯を想定したモデル年金額は、令和5年度が22万4482円だったので、6001円の増額となりました。
年金額は、毎年「賃金変動率」や「物価変動率」等により改定されます。
また、平成16年の年金制度改正によってマクロ経済スライドが導入され、年金の給付水準が調整されるようになりました。
賃金・物価による改定率がプラスの場合、本来であればその分の年金が増額されます。しかし現役の被保険者の減少と平均余命の伸びに応じて算出した「スライド調整率」を差し引くことによって、年金の給付水準が調整されるのです。
2024年度は物価変動率が3.2%、名目手取り賃金変動率が3.1%となりました。ここにマクロ経済スライドによる調整が▲0.4%働き、最終的には2.7%のみの増額となったのです。
つまり、物価の上昇ほどには年金額が上がらず、”実質減額”という厳しい現状があるのです。
そのような中で、決まった、後期高齢保険料の値上げ。
次章では、年金収入195万円の人の保険料について全国の保険料を比較してみましょう。
4. 後期高齢の保険料を全国で比較
ここからは、年金収入195万円の人の保険料(月額)を都道府県別に確認していきます。
4.1 令和6年度の後期高齢保険料はいくら?
- 全国:5411円
- 北海道:6025円
- 青森県:5170円
- 岩手県:4583円
- 宮城県:5025円
- 秋田県:4808円
- 山形県:5017円
- 福島県:4937円
- 茨城県:5125円
- 栃木県:4883円
- 群馬県:5317円
- 埼玉県:4858円
- 千葉県:4775円
- 東京都:5044円
- 神奈川県:5213円
- 新潟県:4633円
- 富山県:5033円
- 石川県:5409円
- 福井県:5458円
- 山梨県:5685円
- 長野県:4845円
- 岐阜県:5167円
- 静岡県:5033円
- 愛知県:5858円
- 三重県:5212円
- 滋賀県:5119円
- 京都府:5886円
- 大阪府:6211円
- 兵庫県:5812円
- 奈良県:5667円
- 和歌山県:5808円
- 鳥取県:5608円
- 島根県:5345円
- 岡山県:5500円
- 広島県:5211円
- 山口県:6124円
- 徳島県:5792円
- 香川県:5617円
- 愛媛県:5460円
- 高知県:5833円
- 福岡県:6357円
- 佐賀県:5967円
- 長崎県:5508円
- 熊本県:6196円
- 大分県:6184円
- 宮崎県:5458円
- 鹿児島県:6275円
- 沖縄県:5913円
もっとも高いのは福岡県で6357円。もっとも低いのは岩手県で4583円です。
次章では、さらに値上げが予定される令和7年度の保険料に迫ります。