2. 【70歳代・二人以上世帯】貯蓄3000万円以上は何パーセント?
では70歳代以上になると、貯蓄額はどうなるのでしょうか。
同じ金融広報中央委員会「家計の金融行動に関する世論調査[二人以上世帯調査](令和5年)」より、70歳代・二人以上世帯の貯蓄事情を確認しましょう。
同様に、金融資産を保有していない世帯を含んだ数字から確認します。
2.1 金融資産を保有していない世帯を含む貯蓄額
【70歳代・二人以上世帯】の貯蓄3000万円以上の割合
- 19.7%
【70歳代・二人以上世帯の貯蓄額】平均と中央値
- 平均:1757万円
- 中央値:700万円
貯蓄3000万円以上の世帯は19.7%となりました。貯蓄を保有しない世帯は、やはりほぼ同数の19.2%を占めます。
では貯蓄保有世帯に絞ると、どのように変わるのでしょうか。
2.2 貯蓄保有世帯のみの貯蓄額
同調査より、貯蓄保有世帯のみの貯蓄額について見ていきましょう。
【70歳代・二人以上世帯】の貯蓄3000万円以上の割合
- 24.3%
【70歳代・二人以上世帯の貯蓄額】平均と中央値
- 平均:2188万円
- 中央値:1100万円
貯蓄保有世帯のみの貯蓄額をみると、貯蓄3000万円以上は24.3%です。
平均は2000万円を超え、中央値は1000万円を超えている点は60歳代と同じです。
ただし、60歳代に比べて平均・中央値ともに下がっています。
これは、一部の人が貯蓄を取り崩しながら生活していることを表しています。
「老後2000万円問題」が話題となって久しいですが、老後は毎月の生活費以外にも介護費用や自宅のリフォームなどでまとまった資金が必要になるものです。
万が一のときに貯蓄が不足している!なんてことにならないように、現役時代のうちからコツコツ貯蓄をしておきましょう。
3. 自分に合った老後資金の用意を
ここまで、60~70歳代・二人以上世帯の「貯蓄3000万円以上の割合」と平均・中央値を確認してきました。
老後の生活に不安を感じている方も多い中、まだ貯蓄を始めていない方も多いようです。
これから貯蓄を始めていく方には、「先取り貯蓄」がおすすめです。
毎月の収入から先に一定額を貯蓄し、残ったお金で生活していくというものです。
また、先取り貯蓄でも預貯金だけではなく、投資を用いてお金を増やすという方法もあります。
まずは、国が用意している制度の新NISAやiDeCoなど、自分自身に合った投資の方法を考えてみてもいいかもしれません。
3.1 【ご参考】貯蓄額一覧表(金融資産を保有していない世帯を含む)
60歳代・二人以上世帯
- 金融資産非保有:21.0%
- 100万円未満:5.9%
- 100~200万円未満:4.5%
- 200~300万円未満:4.3%
- 300~400万円未満:3.0%
- 400~500万円未満:1.9%
- 500~700万円未満:7.2%
- 700~1000万円未満:6.7%
- 1000~1500万円未満:6.8%
- 1500~2000万円未満:5.4%
- 2000~3000万円未満:9.5%
- 3000万円以上:20.5%
70歳代・二人以上世帯
- 金融資産非保有:19.2%
- 100万円未満:5.6%
- 100~200万円未満:5.1%
- 200~300万円未満:4.3%
- 300~400万円未満:4.7%
- 400~500万円未満:2.5%
- 500~700万円未満:6.2%
- 700~1000万円未満:5.8%
- 1000~1500万円未満:10.2%
- 1500~2000万円未満:6.6%
- 2000~3000万円未満:7.4%
- 3000万円以上:19.7%
参考資料
筒井 亮鳳