皆様は、老後の生活資金について考えたことはありますでしょうか?
2024年3月、金融広報中央委員会の「家計の金融行動に関する世論調査」が公表されました。
こちらの資料では、各年代の貯蓄額平均や中央値等を知ることができます。
昨今は物価上昇により生活費が増加傾向にあり、老後の生活について不安に感じている方も多いようです。
最近では「老後2000万円問題」が話題になり、ご自身の老後資金について考えた方も多く、少子高齢化が進む今の日本では「公的年金」以外にも貯蓄は必要不可欠なものとなっています。
そこで今回は、60歳代・70歳代の二人以上世帯で「貯蓄3000万円以上」ある羨ましい世帯は何パーセントいるのかを見ていきます。
元生命保険販売員である筆者がデータを深堀りしていくので、ぜひ最後までご覧ください。
1. 【60歳代・二人以上世帯】貯蓄3000万円以上は何パーセント?
まずは、60歳代・二人以上世帯で「貯蓄3000万円以上」の人はどれくらいいるのか見ていきます。
1.1 金融資産を保有していない世帯を含む貯蓄額
金融広報中央委員会「家計の金融行動に関する世論調査[二人以上世帯調査](令和5年)」より、60歳代・二人以上世帯の貯蓄事情について、金融資産を保有していない世帯を含んだ数字を確認します。
【60歳代・二人以上世帯】の貯蓄3000万円以上の割合
- 20.5%
【60歳代・二人以上世帯の貯蓄額】平均と中央値
- 平均:2026万円
- 中央値:700万円
60歳代世帯のうち、貯蓄貯蓄3000万円以上の割合は約2割となりました。一方、貯蓄を保有しない世帯は21.0%にものぼります。
ほぼ同数ということから、貯蓄事情は二極化傾向にあることがわかります。
では貯蓄保有世帯に絞ると、どのように変わるのでしょうか。
1.2 貯蓄保有世帯のみの貯蓄額
同調査より貯蓄保有世帯のみの貯蓄額について見ていきましょう。
【60歳代・二人以上世帯】の貯蓄3000万円以上の割合
- 26.0%
【60歳代・二人以上世帯の貯蓄額】平均と中央値
- 平均:2588万円
- 中央値:1200万円
貯蓄保有世帯のみの貯蓄額をみると、貯蓄3000万円以上は26.0%です。
平均は2000万円を超え、中央値は1000万円を超えました。
金融資産非保有の世帯と比べ、金融資産を保有している世帯の方が貯蓄への意識が高い様相が見て取れます。
次章では定年退職を迎え、無職となって生活している人が多くなる70歳代の貯蓄事情を見ていきます。