2. 役職別の平均賃金
厚生労働省の「令和5年賃金構造基本統計調査」から、役職別の平均賃金を見てみましょう。
なお、下記の金額には時間外勤務手当や深夜勤務手当といった超過労働給与額が含まれていません。また、所得税等を控除する前の金額となります。
<男性>
- 部長級:60万4100円
- 課長級:50万700円
- 係長級:38万2300円
- 非役職者:31万1900円
<女性>
- 部長級:52万1000円
- 課長級:43万800円
- 係長級:33万5900円
- 非役職者:26万300円
<男女計>
- 部長級:59万6000円
- 課長級:49万800円
- 係長級:37万800円
- 非役職者:29万1100円
平均値で見た場合、課長から部長へと昇進すると、月給が10万円程度増加していることがわかります。年収に換算すれば、100万円以上増加することになります。
しかし、実際の昇給率は企業によって異なりますし、地域によっても差が見られます。続いて、都道府県別の平均賃金も見てみましょう。
2.1 都道府県別に見た平均賃金
下のグラフは役職別のデータではありませんが、地域によって平均賃金に大きな差があることがわかります。
全国平均である31万8300円を上回ったのは5都府県(栃木県、東京都、神奈川県、愛知県、大阪府)のみであり、それ以外は平均を下回っています。
最も賃金が高い東京都と最も賃金が低い青森県との賃金格差は11万円以上となっており、額面だけ見れば大きな差があることがわかります。
3. 昇進が賃金増加に直結するとは限らない
平均賃金だけを見れば、年収換算で100万円以上増加することになります。
しかし、部長に昇進したからといって大幅な昇給が約束されているわけではなく、昇進時の賃金増加は職種や地域、会社の業績などによって大きく左右されます。
場合によっては、昇進によって増えた仕事量や責任と、賃金の増加幅が釣り合わないケースもあるでしょう。
キャリアアップへの考え方、価値観は人によって異なりますが、様々な要因を考慮することが大切です。
参考資料
加藤 聖人