2. 6月送付の「年金振込通知書」で年金から天引きされる税金・保険料を知る

2024年度に増額される年金が実際に支給されるのは、2024年6月14日(金)です。ただし、多くの方は税金や保険料が天引きされた上で振り込まれるため、手取り額は少なくなるでしょう。

年金振込通知書

年金振込通知書

出所:日本年金機構「年金振込通知書」

毎年6月に送付される「年金振込通知書 」に、6月から翌年4月までの期間に振り込まれる年金額や天引きされるお金が記載されています。

手元に届いた際は早めに確認しましょう。

記載される主な項目は以下のとおりです。

  •     年金支払額(天引き前の額面の金額)
  •     介護保険料額
  •     後期高齢者医療保険料、国民健康保険料(税)※
  •     所得税額および復興特別所得税額
  •     個人住民税額
  •     控除後振込額(天引き後の手取り額)

※天引き対象でない場合は記載されていません

例えば所得税や住民税などは、年金額が一定以上でないために非課税となり、そもそも支払わないケースがあります。

介護保険料や健康保険料などは、支払い義務はあるものの年金天引き対象にならなかったため、額面どおり振り込まれることもあるでしょう。この場合は、納付書等にて個別に支払う必要があります。

保険料などは年度途中で変わることもあるので、その都度年金の手取り額が変わります。生活に大切なのは年金の手取り額となるため、納税通知書や年金振込通知書などが届いたら、必ずその内容を確認するようにしましょう。

では、次は注意点の二つ目である「年金額の個人差」に迫ります。

ここからは現代シニアの年金受給額について、平均でいくらぐらい受け取っているのかを一覧で確認してみましょう。

3. 「国民年金」みんなは平均でいくら受け取っている?

厚生労働省が公表しているのは、あくまでも「国民年金の満額」と「モデル夫婦の厚生年金額」です。そもそも国民年金や厚生年金の金額には、個人差があることに注意しておきましょう。

参考までに、2023年12月に更新された最新データから、今のシニア世代が受給する年金額を見ていきましょう。

3.1 国民年金(老齢基礎年金)の平均受給額(月額)

【国民年金】男女別・年金月額階級別受給権者数(2022年度末現在)

国民年金の男女別年金月額階級別受給権者数の表

出所:厚生労働省年金局「令和4年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」をもとにLIMO編集部作成

  • 全体平均月額:5万6316円
  • 男性平均月額:5万8798円
  • 女性平均月額:5万4426円

平均月額は男女ともに5万円台となっており、過去5年間の受給額もおよそ5万5000円〜5万6000円台で推移しています。

個人差は以下のとおりです。

3.2 国民年金(老齢基礎年金)の受給額の個人差

  • 1万円未満:6万5660人
  • 1万円以上~2万円未満:27万4330人
  • 2万円以上~3万円未満:88万1065人
  • 3万円以上~4万円未満:266万1520人
  • 4万円以上~5万円未満:465万5774人
  • 5万円以上~6万円未満:824万6178人
  • 6万円以上~7万円未満:1484万7491人
  • 7万円以上~:178万3609人

保険料が一律なので、個人差はそこまで大きくありません。満額近い6万円台を受給する方が多いようですね。

ただし、続いて見る厚生年金に関しては、個人差や男女差が非常に大きくなります。グラフと一覧で確認しましょう。