2018年4月11日に行われた、株式会社トレジャー・ファクトリー2018年2月期決算説明会の内容を書き起こしでお伝えします。IR資料
スピーカー:株式会社トレジャー・ファクトリー 代表取締役社長 野坂英吾 氏
株式会社トレジャー・ファクトリー 取締役経営企画部長 小林英治 氏
H29年3月~H30年2月の総括
野坂英吾氏(以下、野坂):みなさん、こんにちは。では私より、まず、前期の決算の全体の総括をさせていただいて、その後小林より決算の概要と、再度私から前期の振り返りと新年度の取り組みについて、お話をさせていただきたいと思います。
まず、平成29年3月から平成30年2月期の総括です。
全体としては、通期では増収減益というかたちになりました。
売上は順調に伸びましたが、なかなか収益が伴っていないというのが、この平成30年2月期の全体像になっています。
売上高に関しては、子会社であるカインドオルの売上が通年で寄与したことにより、前期比で123パーセントと大きく伸ばすことができました。また、既存店舗も単体では101パーセント増となり、とくに下期にしっかり収益に貢献をしてきている状況になっています。
連結の営業利益に関しては、通期累計では減益となりましたが、下半期では7,600万円増益となり、後半は回復傾向になっています。
また、新規出店は、単体では14店舗の出店を行いました。期首の計画では13店でしたので、通期での出店数は順調に進捗をしたという状況になっています。この期に出店した店舗は、通期に関しても順調に推移していますので、この新しく始まった期以降に、しっかり収益に寄与してくるものと考えています。
子会社のカインドオルは、前期9月の子会社化以降、業績回復に向けての取り組みを進め、直営店のポスシステムを前期ですべて入れ終えましたので、第3四半期以降は業績も改善し、通期で利益の貢献を果たしています。
前期7月のタイ・バンコクへの海外1号店オープンに続き、当期は11月に2号店をオープンする状況になっています。
この通期、全体的にはトップラインである売上が伸びて、それに伴って新たな取り組みや投資を行っています。
では、前期の決算の概要に関して、小林からご説明をさせていただきます。
損益計算書概要(連結)
小林英治氏(以下、小林):それでは、私から平成30年2月期の通期決算概要について、ご説明させていただきます。
まず、損益の概要です。連結の売上高が164億3,181万円。前期比123.3パーセントという結果になりました。前期に子会社化したカインドオルが、今期は通期で寄与したことによりまして、売上高が伸びています。
続きまして、(差引)売上総利益率のところです。61.5パーセントという結果になりまして、前期から2.5パーセント低下という結果になりました。単体の売上総利益率も1.1パーセント低下ということがあり、さらにカインドオルはハイブランドのファッションに特化した業態で売上総利益率は当社よりも低い業態になりますので、それを連結化したことも影響して売上総利益率が低下しています。
販管費に関しましては、販管費率が57.8パーセントと、前期に対して0.7パーセント低下ということです。新規出店が14店舗と、前期に比べると数は増えたんですけれども、(それにともなう費用を)こなしながら、販管費の比率は低下という結果になりました。
以上の結果から、営業利益は6億2,172万5,000円。前期に対しては84.6パーセント、計画業績予想に対しては、72.9パーセントという結果になりました。
営業利益率につきましては、3.8パーセントです。前期に対して1.7パーセント低下という結果となりました。
経常利益につきましては、6億6,886万7,000円となっています。
当期純利益は3億4,586万8,000円という結果になりまして、前期に対しては71.3パーセント、計画に対しては59.5パーセントという結果になりました。当期純利益については、税効果会計による繰延税金資産の取崩しが発生しまして、法人税のところに入ってくる税金費用が、一時的に今期、増加しました。これによって、当期純利益がその分押し下げられている結果となっています。
それから、(スライド)右側の「POINTS」の右下のところ、業績予想との差異につきましては、上半期は営業利益で計画に対して4,300万円マイナスという結果でしたけれども、下半期で計画に対して1億8,800万円下回る結果になりました。こちらは10月の台風ですとか、1月の降雪の影響で、単体の既存店がかなり前期を下回る結果がありまして、それの影響がちょっと前後の月も一部出まして、既存店の売上が下半期計画を未達という結果になり、売上総利益率も計画を下回ったということが大きく影響しています。
併せて、前期に新規進出ということで、名古屋と福岡、新しく総合リユースのお店を出しています。まだそれぞれ1店舗ずつという展開です。そちらがなかなか立ち上がってこないというところで、計画を下回りました。そういったところが、予想を下回った要因となりました。
四半期業績の推移(連結)
続きまして、四半期別ごとの業績です。
下のグラフは営業利益の推移です。上半期は営業利益が前期を下回る結果になりました。下半期である第3四半期および第4四半期につきましては、営業利益が前期を上回っており、収益性は下半期にかけて回復をしてきています。
商品別仕入・事業別商品別販売実績(連結)
続きまして、商品別の仕入になります。
カインドオルが通期で入ったことによりまして、衣料と服飾雑貨の伸び率が高くなっています。
もう1点はFC事業です。下の表の、販売ですけれども、カインドオルにはFC店が20店前後ありますので、そちらからのロイヤリティ収入等でFC事業の収益が高い伸びという結果になっています。
既存店の結果(単体)
続きまして、単体の既存店の結果になります。
売上につきましては先ほどあったように、通期を通しては101パーセントという結果になっています。右下に上半期と下半期に分けて、売上の前期比を載せております。上半期は101.6パーセントであったのに対して、下半期は100.4パーセントで、前期に対する伸びも鈍化し、売上は計画を下回ったという結果になりました。
売上総利益率も同様に上半期下半期で分けております。上半期につきましては、前期に対して売上総利益率がマイナス1.6パーセントで、かなり下がったところがありました。
とくに滞留在庫の消化等を進めるために値下げ等が多く出たという上半期だったんですけども、下半期はともに改善して前期に対してのマイナス幅では0.6パーセントで、こちらも回復傾向にあります。
販売件数。1件あたりの販売単価は(スライド)記載の通りとなります。
販売費及び一般管理費の推移(連結)
続きまして、販売費及び一般管理費の推移です。
全体の販管費の比率自体は、前期から0.7パーセント程度低下しております。主な項目に関しては基本的にはマイナスで、前期から下がっている項目が多いというところになります。
貸借対照表概要(連結)
続きまして、貸借対照表になります。
総資産が連結で78億6,500万円という結果になっております。主な構成のところは大きな変化はありません。利益が積み上がった分、純資産の比率が若干上がっているという結果になっております。
キャッシュフロー(連結)
決算の報告の最後になりますけども、キャッシュフローの推移です。
今期はキャッシュフローの合計は、年間でマイナス100万円という結果になっております。
現金および現金同等物の残高は、前期からほぼ変わらず、という結果になりました。内訳は、グラフのオレンジの部分です。営業キャッシュフローが7億9,000万円で、こちらが前期よりも大きく増えております。
1つは法人税等の支払いが前期に比べて減っているという点と、あとは棚卸資産への支払いも前期から約1億2,000万円ほど減っております。ですから、在庫投資に関しては効率性が上がっているという結果となっております。
キャッシュフローに関しては以上となります。
続きまして、前期の振り返りおよび当期の取組みにつきまして、社長の野坂からご説明させていただきます。
総合リユース既存店 リニューアル
野坂英吾氏(以下、野坂):ではここからは、また私からご説明させていただきたいと思います。
平成30年2月期の振り返りです。
まずは既存の店舗のリニューアルを一部進めております。
ここでは、その中のいくつかを(スライドで)お出ししていきます。
店外店内のリニューアルを進めて、それにともなって古い店舗をもう一度リニューアルをしながら、売上ももう一段上げていくという取組みも今期行ってまいりました。
早速その成果も出て、売上が向上してる店舗もあり、しっかりやっている状況になっております。
総合リユース オンラインショップ 開設
もう1点が、総合リユースのオンラインショップ開設です。今まではECではアパレルに特化して、取組みを行ってまいりましたが、総合的なアイテムにオンラインでの販売を強化して、スタートを切っております。
買取も総合的なアイテムでの買取を始めており、今後、ECでの取組みを伸ばしていこうという中で、オンラインでの取組みを幅を広げて、取組みの強化を行っています。
新規出店 グループで合計年間20店の出店完了 単体で14店(直営)、子会社カインドオルのFC店を6店出店
新規出店は単体では14店です。子会社のカインドオルでも6店のFC店が出店を行っており、年間グループで20店舗の新規出店を行っております。
この期は服飾業態の店舗が比較的多く出店をしており、店舗モデルもかなり多岐に渡り、駅前のコンパクトな店舗も出店したことによって、出店場所が非常に広がりを持ったというのが、この期の状況かと考えております。
年間での(出店)計画も13店のところを、単体で14店の出店につながっております。各店舗、立ち上がりも順調で、翌期以降にしっかり収益貢献をしてくれるんではないかと考えております。
新規エリア&新業態進捗
新規エリア、あとは新業態の進捗です。
この30年2月期は29年2月期に初進出をしました名古屋や福岡の業績が計画に達しなかったというところも、業績がもう1つ伸びなかった要因になっています。
ただ、期をまたぐあたりで、買取も新年度に入り、春の新生活のタイミングで買取販売も徐々に伸びており、新年度に入ったところでしっかり手応えを掴める取組みにつなげていければと考えております。
また新業態のユーズレット、トレファクスポーツ、ブランドコレクトです。ユーズレットは低価格の衣料業態ですが、埼玉に4店舗です。全般的に業績も堅調に推移しております。
またトレファクスポーツに関しても現状3店舗ですが、損益モデルも確率しつつある状況で、とくに30年2月期は冬場が非常に寒い期間が長かったというところもあり、足元の業績状況も堅調に推移しております。
現在、原宿に店舗があるブランドコレクトですが、こちらもインバウンドの需要で、高価格帯の衣料品を扱う業態です。非常に高価格帯の販売が堅調に推移しており、業績も堅調に進んでおります。
各業態、いずれも当期新規出店を行っていきたいと考えております。
カインドオル事業の進捗
次に、子会社のカインドオルの事業の進捗状況ですが、前期は子会社化して以降、滞留在庫の消化を進めて、在庫の適正化というか、在庫の鮮度を上げていくいう取組みを行ってまいりました。
その結果、上期はかなり業績も伸び悩んだのですが、下期に業績回復を正し、通期では約3,800万円の営業黒字となっております。
POSシステムが全直営店で入れ替えが完了して、一部不採算店である店舗を閉鎖して、より集約をしたかたちで店舗運営をしていこうと取組みを行っております。
またFC店が6店舗新しく出店をして、こちらも順調に立ち上がっています。2月末の時点で直営が19店、FCが21店で、40店舗体制になっております。
海外事業 タイ・バンコク2号店 オープン
海外事業ですが、タイのバンコクに2号店を昨年11月にオープンしております。立地環境も多少違いますので、1号店は比較的買取も販売もやる店舗で、2号店は、どちらかというと販売に特化した店舗で取組みを行っています。
両店舗認知度も上昇して買取販売ともに比較的好調に推移していると考えております。
その次の3号店に向けてというところも、順次準備をしていければと考えております。
店舗数 グループ合計 177店
直近の店舗数が、この新たな期に入ったところで子会社になりましたゴルフキッズ、中古ゴルフグッズ業態を加えまして、直近グループ合計で177店体制となっております。
こちらの体制で新しい期を迎えつつ、また新年度で新規の出店を果たしていきながら、グループとして成長を目指していきたいと考えております。
2019年2月期の経営方針(1/2)
新年度の事業方針及び業績の予想についてご説明させていただきます。
2019年2月期の経営方針として、数値目標では売上は前期比、既存店舗で100パーセントを目指し、売上総利益率は前期比0.5パーセントの改善を目指していきたいと考えております。
とくに前期は、上期に大きく売上総利益率を落としました。改善を図ってまいりたいと考えております。
あとは取扱いアイテムの拡充と深掘ということで、今回グループに加わった中古のゴルフ用品等の強化をしていったり、あとはアウトドア用品への強化ということで、既存店を強化してまいりたいと考えております。
また、既存店のスクラップ&ビルドを進めて、古い旗艦店を中心に移転をしたりしていきたいと考えております。
3点目がWeb販売強化による収益の底上げです。総合リユース業態のオンラインサイトも前期立ち上がったため、こちらも活用しつつECでの販売及び宅配アイテム強化を掲げながら、Web販売に力を入れてまいりたいと考えております。
2019年2月期の経営方針(2/2)
2019年2月期の経営方針としての出店に関してですが、年間では12店舗前後の出店を目指していこうということで、各業態の内訳は記載のとおりになっております。
こちらも好物件が出て来次第、展開をしていきたいと考えておりますので、業態ごとの主点数は多少前後するかと思いますが、今期はとくに上期に出店をより注力して、通期での業績寄与も果たしていきたいと考えております。
ある程度もう、上期の出店数も候補が出てきており、おそらく前倒し気味に出店数も済むんじゃないかと考えております。
通期での12店というところはある程度めどが立ってきておりますので、プラスアルファしつつ、しっかり収益に貢献する店舗を出店してまいりたいと考えております。
また、子会社のカインドオルですが、更なる収益率の改善の増益を目指していくということで、当期は直営店での新規出店を計画してまいりたいと考えております。
そしてグループに加わった中古ゴルフ用品のゴルフキッズですが、こちらはゴルフ用品の査定のデータベースを活用しながら、グループ全体でのゴルフ用品の査定精度を向上させたい、販売ノウハウを共有し、グループ全体でのゴルフ用品の扱い拡大を目指していきたいと考えております。
また、今回グループに加わった店舗は直営店が1店舗、それ以外はFC店という状況ですが、まずモデルを再度強化をしていきながら、こちら単体での出店も今後は図っていきたいと考えております。
最後、海外事業に関してですが、現地スタッフの育成等も進めていきながら、運営基盤の安定化に取り組むとともに、通期の事業の黒字化及び新店の開発も、この期で目指してまいりたいと考えております。
2019年2月期の連結業績予想
2019年2月期の連結業績予想に関してです。売上高の連結予想で177億9,900万円ということで、前期比108.3パーセントということで計画を立てております。
連結での経常利益の総和は8億4,100万円ということで、こちらも前期と比べてグループ全体でいくと前期比125.7パーセントを計画しております。
当期純利益は、先ほどありました前期が税効果会計の影響等もありますので、新たに始まっている当期はその影響もなくなってますので、純利益はもう一段伸びて、160.2パーセントの計画をしております。
2019年2月期の配当予想
2019年2月期の配当予想に関しては、年間配当16円を今期も行ってまいりたいと考えております。前期と同額の16円というかたちで、配当性向としては32パーセントということで計画を立てております。
中期経営目標に対する実績と修正
また、中期の経営目標に対する実績と修正も、今回あわせて行わせていただいております。
具体的には今始まっております31年2月期の目標値に関して、一部修正をしております。
売上高に関しては微増という状況ですが、営業利益、経常利益、償却前営業利益に関しましては、計画よりマイナスで今回見込んでおります。
要因としては(スライドに)記載をさせていただいておりますが、30年2月期の状況で、単体での売上総利益率の低下などの要因もあって、なかなか30年2月期の利益目標が達成にいたりませんでした。
中期経営戦略
2期目です。利益の改善は見込んでおりますが、当初公表済みの利益率までの回復というところは、現状ではそこまではまだ見込めておりませんので、利益計画を下方修正をしながら、当期、これをしっかり上回っていく取り組みを行ってまいりたいと考えております。
中期の経営戦略としては、大きく4本柱を変えずに取り組んでまいりたいと考えております。複数の業態の出店ということでゴルフキッズ、ゴルフ中古用品の取り扱いをする業態も加えまして、現状8業態で取り組みを行っております。
今後も複数の業態で出店をしていきながら、国内主要都市への出店を加速させていきたいと考えております。
2つ目が、総合的にリユース品を扱っている強みを活かして、引き続き新業態の開発にも取り組んでまいりたいと考えております。
3点目がECでの強化ということで、前期総合業態でのECサイトをスタートさせておりますが、この期をまたぐ前後でもECでの取り扱いも堅調に伸びております。
今期はネット事業ということで、ECでの宅配買取強化・販売強化を行いながら、収益機会の拡大を図ってまいりたいと考えております。
最後、海外リユース事業もタイでスタートしている事業、しっかり基盤をつくりながら伸ばしてまいりたいと考えております。
以上4つの中期的な経営戦略として、今後もしっかり力を入れてまいりたいと考えております。
株主還元について
最後に株主還元についてですが、利益配分に関する基本的な方針として、総還元額と総還元性向ということで掲げさせていただいておりますが、配当性向は25パーセント以上を当面の目標としながら、継続して行っていくよう取り組みを行っていければと考えております。
また、本日付けで自社株買いとその償却をあわせて発表させていただいております。株数にすると上限15万株、金額にして1億2,000万円を上限として行う予定になっております。
こちらも利益配分に関する基本方針として、内部留保の充実も図りながら、財務基盤の安定と、業績に応じて総還元性向というところも意識をしながら、取り組みを行ってまいりたいと考えております。
当期の数値的な計画も先ほど発表させていただきましたが、ここまでで2期連続で売上は増えて、増収減益が続いております。
今期はトップラインも伸ばしつつ収益性を改善させつつ、利益の面で前期を上回っていきながら、次なる業容の拡大、事業発展に向けて、しっかり取り組んでまいりたいと考えております。
以上で発表を終わらせていただきたいと思います。ご清聴ありがとうございました。