PGF生命は2024年5月9日、2024年の還暦人(かんれきびと)に関する調査結果を公表しました。
こちらによると、今年還暦を迎える方の貯蓄額は平均で2782万円ということです。「自分は60歳になる時点でそこまで貯められる自信はない」と感じる方もいるでしょう。
ただし、平均は一部の大きな値に引っ張られやすいもの。実際、同調査では半数が「500万円未満」であることもわかっています。
今回は、調査の詳細とともに「60歳代のひとり暮らし世帯」家庭における「貯蓄ゼロの割合」も確認していきます。
記事の後半では、収入から貯蓄に回す割合についても確認します。
1. 今年の還暦人の貯蓄額は「平均2782万円」
PGF生命による「2024年の還暦人(かんれきびと)に関する調査」では、今年の還暦人の貯蓄額は「平均2782万円」であることがわかりました。
昨年の平均からは672万円の減少となっています。背景には、物価上昇などが大きく関わっていると考えられます。
なお、平均だけを見ると2000万円超えの世帯が多いように思えますが、実際に2000万円を超えているのは24.4%のみ。さらに、50.5%が500万円未満となっており、貯蓄格差がうかがえます。
- 100万円未満:28.9%
- 100~300万円未満:14.7%
- 300~500万円未満:6.9%
- 500~1000万円未満:13.1%
- 1000~1500万円未満:9.6%
- 1500~2000万円未満:2.7%
- 2000~2500万円未満:5.3%
- 2500~3000万円未満:1.1%
- 3000~5000万円未満:5.1%
- 5000万円~1億円未満:5.9%
- 1億円以上:7.0%
還暦以降の就労意向を聞いた問では、60歳以降も働きたい人の割合は85.8%、70歳以降も働きたい人の割合は42.7%となりました。
働く理由は健康面、社会との関わり面などさまざまですが、もっとも多いものが「働かないと生活費が不足するから」となっており、シニアの厳しいお金事情が垣間見えます。
では、60歳のひとり暮らし世帯で「貯蓄ゼロ」はどれほどいるのでしょうか。次章にて公的資料から見ていきましょう。