4. 老後資金づくりの前に知っておきたい「老後の年金受給額」
ここまで、新NISAを活用した積立投資の必要積立額についてシミュレーションしてきました。
積立額の計画を立てる前には、老後にどのくらいの資産が必要かを知ることが大切です。足りなければ老後生活が苦しくなりますし、過剰になれば「もっと現役時代を謳歌しておけば」という後悔につながることもあります。
そこで、参考までに、いまの老齢年金を受給する世代の平均年金月額をご紹介します。ただし、こちらはあくまでも「今の高齢者」の「平均額」なので、個人差や時代ごとの水準を加味していません。
実際の目安額は必ずねんきんネットやねんきん定期便などで確認するようにしましょう。
厚生労働省年金局の最新資料「令和4年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」によると、2022年度末現在の国民年金・厚生年金の平均月額は次のとおりです。
4.1 国民年金の平均月額
- 全体:5万6316円
- 男性:5万8798円
- 女性:5万4426円
4.2 厚生年金の平均月額
- 全体:14万3973円
- 男性:16万3875円
- 女性:10万4878円
もし平均通りの年金を受給できるとなると、長い老後生活を送るにあたり、十分とは言えないと感じる方もいるでしょう。
それぞれの年金額、生活水準を照らし合わせ、不足する金額を「年金以外」に準備する必要があるのです。
5. まとめにかえて
本記事では、新NISAの「つみたて投資枠」を活用した積立投資で65歳までに老後資金を作る場合、「23歳開始or53歳開始」で積立金額はいくら必要かをシミュレーションしました。
老後までの期間が長いほど、積立金額を抑えられます。
たくさん老後資金を準備できれば安心ですが、今の生活を充実させることも重要なので、本当に必要な金額で備えておきたいものです。
また、不足金額の備え方として今回は「新NISAの積立投資」でシミュレーションしてみましたが、方法はこれだけではありません。
個人年金保険で備える方もいますし、繰下げ受給を活用して公的年金を増やす方もいます。健康維持やスキルアップをおこなうことで、できるだけ長く働くというのも老後対策のひとつです。
どんな老後を迎えたいのかも含め、情報収集から始めてみてはいかがでしょうか。
参考資料
- 金融庁「NISAを知る」
- 金融庁「資産運用シミュレーション」
- 厚生労働省年金局「令和4年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」
- 株式会社リクルート「現役高校生が回答!「資産形成の授業」に関するアンケート2024 資産形成の授業を受けた感想は、「楽しかった」が7割!」
太田 彩子