2. 環境に配慮した住まいにおすすめの条件・設備1位:複層ガラス

複層ガラスとは2枚以上のガラスの間に「中空層」を設けて、乾燥空気やアルゴンガス(空気よりも熱伝導率が低い不活性ガス)を封入したものや、真空状態にして熱を伝えない工夫が施されたものなどのガラスの総称のことです。

またガラスが2枚の複層ガラスのことを「ペアガラス」、ガラスが3枚の複層ガラスのことを「トリプルガラス」ともいいます。

複層ガラスは2023年度の調査に引き続きトップとなっていて、外気を遮断することで冷暖房費の削減につながるほかに、結露防止効果もあります。

さらには紫外線をカットしてフローリングや家具などの色あせや劣化を防ぐ効果があり、防犯性の向上にも役立ちます。

3. 環境に配慮した住まいにおすすめの条件・設備2位:節水トイレ

【写真1枚目/全2枚】おすすめ2位はトイレ!その理由は?2枚目の写真で「おすすめ設備ランキング」を一気に紹介!

トイレの写真

viaductk/istockphoto.com

トイレは浴室に次いで家庭内での水道の使用量が多いといわれている場所です。

水道水は浄水場で飲用できるように処理され、家庭で使用した水は処理場で綺麗にして河川に流します。

この2つの処理を行う際には電力を使用してCO2を排出するので、最新型の節水トイレを使用することで、単に洗浄水量を削減するだけでなく「CO2」削減にも効果を発揮します。

したがって節水は低炭素社会の実現に向けた取り組みの一環となります。

4. 環境に配慮した住まいにおすすめの条件・設備3位:太陽光発電システム

太陽光発電システムとは太陽の光エネルギーを電気に変換する装置のことで、CO2を出さない発電方法として注目されています。

シリコン半導体に光があたると電気が発生する現象を利用していて、太陽の「光エネルギー」を直接「電気エネルギー」に変換して活用します。

さらに蓄電池を設置することで発電した電気を保存することができるようになり、希望するタイミングで利用することが可能になります。

発電量が天候に左右されるのがデメリットですが、電気代を節約できると共に発電時にCO2の排出がないので、地球温暖化を防ぐ発電方式として効果を発揮します。

5. 環境に配慮した住まいにおすすめの条件・設備4位:共用部などでのLED照明の設置

LEDとは電圧をかけると光る半導体のことをいいます。

白熱電球や蛍光灯からLEDライトに交換するだけで、より少ない電力で同等の明るさを確保することができるので、消費電力を抑えることができます。

また白熱電球や蛍光灯と比較して寿命が約4万時間と長いので、毎日10時間使っても10年以上使い続けることができます。

とくに24時間点灯していることがある共用部の照明器具の場合には、節電効果が高いといえるでしょう。

そして消費電力が少ないことや長寿命であることは結果としてCO2削減につながるため、国や自治体でもさまざまな形で普及の後押しをしています。

6. 環境に配慮した住まいにおすすめの条件・設備ランキングをすべて紹介!

環境に配慮した住まいにおすすめの条件・設備ランキング

環境に配慮した住まいにおすすめの条件・設備ランキング

出所:アットホーム株式会社「不動産のプロが選ぶ!「環境に配慮した住まいにおすすめの条件・設備 2024」ランキング」を参考に筆者作成

  • 1位:複層ガラス(外気の遮断で冷暖房の削減につながる)
  • 2位:節水トイレ
  • 3位:太陽光発電システム
  • 4位:共用部などでのLED照明の設置
  • 5位:節水・節湯水栓
  • 6位:高効率給湯器
  • 7位:オール電化(需要の少ない夜間電力を有効活用できる)
  • 8位:蓄電池
  • 9位:電気自動車用充電設備の付いた駐車場
  • 9位:高断熱浴槽

地球温暖化や環境破壊が深刻化していることへの対策として、国や自治体でもさまざまな住宅省エネ施策に取り組んでいます。

近年ではエコリフォームへの補助を行うほかに、認定低炭素住宅(CO2の排出を抑えるための対策がとられた住宅)やゼロエネルギー住宅(年間の一次エネルギー消費量の収支をゼロとすることを目指した住宅)に対しても支援しています。

具体的には単に断熱性などの住宅の躯体の性能を高めるだけでなく、省エネ設備を導入したり太陽光発電などの創エネ設備を設置したりすることを支援するために、さまざまな補助金制度を用意しています。

せっかく用意された支援策なので、上手に活用して住まいづくりに役立てるようにしましょう。

参考資料

亀田 融