4月になり、新生活をスタートする方が増えたことでしょう。
なかには3月末をもって退職し、セカンドライフを迎えられた方もいるかもしれません。
退職して無職となった場合、主な収入となるのが公的年金です。
しかし厚生年金は、現役時代の「年収」や「加入期間」などによって受給額が決まるため、個人差が大きいのが特徴です。
そのため、「厚生年金の平均額はどのくらいか」「みんなはどれくらい受け取っているのか」を知っておくことは将来の生活をイメージするための1つの目安になるでしょう。
そこで今回は、厚生年金の平均受給額と割合について紹介していきます。
「額面金額と手取り金額の違い」についても紹介しているので、あわせてご確認ください。
1. 【日本の年金制度】厚生年金&国民年金のしくみ
まずは、公的年金の仕組みについて、おさらいしていきましょう。
公的年金には「厚生年金」と「国民年金」の2種類があり、国民年金が1階部分・厚生年金が2階部分の「2階建て構造」となっています。
1.1 国民年金(1階部分:基礎年金)
- 原則、日本国内に住む20歳以上60歳未満の全員に加入義務がある
- 保険料は一律
- 納付した期間に応じて将来もらえる年金額が決まる
1.2 厚生年金(2階部分)
- 公務員やサラリーマンなどが加入する
- 収入に応じた保険料を支払う(上限あり)
- 加入期間や納付額に応じて将来もらえる年金額が決まる
上記のとおり、現役時代の働き方によって加入していた年金により、将来受給する年金が異なります。
2. 「厚生年金&国民年金」みんなの平均月額はいくら?
公的年金である「厚生年金」と「国民年金」では、受け取れる年金額が大きく異なります。
一例として、厚生労働省年金局の「令和4年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」によると、厚生年金と国民年金の全体、男女別の平均月額は下記のとおりです。
【厚生年金】
- 男女全体平均月額:14万3973円
- 男性平均月額:16万3875円
- 女性平均月額:10万4878円
【国民年金】
- 男女全体平均月額:5万6316円
- 男性平均月額:5万8798円
- 女性平均月額:5万4426円
国民年金は保険料が一律であることから、全体・男女間で差があまり生じていません。
一方で厚生年金では、現役時代の年収や加入期間によって受給額に変動があることから、男女間で6万円ほどの差が見られます。
このように、「年金」といっても受給できる金額は人によってさまざまです。
また「額面で月15万円」という金額は、一見すると少なく感じる方もいるかもしれませんが、平均月額を見ている限りでは平均的な受給額といえそうです。
将来、自分がどれくら年金を受け取れるのかをより詳しく知りたい場合は「ねんきんネット」もしくは「ねんきん定期便」で確認してみると良いでしょう。
では、厚生年金を「月15万円」受給する人はどのくらいいるのでしょうか。次章で一覧表にしていますので、ご覧ください。