ロシアとウクライナの戦争が始まって早2年ほどが経過。もともと原油産出国であるロシアへの経済制裁からエネルギー価格の高騰に始まり、急速な物価上昇が始まりました。

この物価上昇に家計の負担が大きくなっているというのは皆様感じられているのではないでしょうか。

そんななかで、2024年1月19日に2024年度の厚生年金と国民年金の年金額の例が公表され、夫婦の標準的な年金は23万483円で大幅な上昇となりました。

しかし、ここでひとつ「落とし穴」が。実は増額されるのは4月支給分からではありません。

今回は、2024年4月からの厚生年金と国民年金の受給額を解説するとともに、実際に受給している方の平均受給額や、それぞれの年金の計算方法なども解説していきます。

1. 2024年度の厚生年金・国民年金は増額へ。最初の振込日は6月14日

厚生労働省は、2024年度の年金額の例として下記のとおり公表しています。

  • 国民年金(老齢基礎年金):6万8000円(1人分※1)
  • 厚生年金:23万483円(夫婦2人分※2)

※1昭和31年4月1日以前生まれの方の老齢基礎年金(満額1人分)は、月額6万7808円(対前年度比+1758円)です。

※2平均的な収入(平均標準報酬(賞与含む月額換算)43万9000円)で40年間就業した場合に受け取り始める年金(老齢厚生年金と2人分の老齢基礎年金(満額))の給付水準。

国民年金(老齢基礎年金)の満額は、2023年度が6万6250円、2024年度が6万8000円と増額しています。

※ただし、2023年度の既裁定者(68 歳以上の方)の老齢基礎年金(満額1人分)は、月額 6万6050 円(対前年度比+1234円)。また、厚生年金の金額は夫婦2人分となっていますが、これは「40年間会社員として月額43万9000円を稼いだ夫の厚生年金と国民年金」と「40年間専業主婦(もしくは自営業など)だった妻」を想定。

同じ夫婦世帯を想定したモデル年金額は、2023年度(令和5年度)が22万4482円だったので、6001円の増額となりました。なお、2023年度、2024年度と2年連続での増額改定になります。

しかし、増額される対象月には注意が必要です。

2. 【年金カレンダー】2024年の支給月一覧&「6月支給分」から増額されるワケ

年金額が増額になるのは「2024年4月分」からで、実際の振込は「2024年6月14日(金)」です。

対象月と実際の年金支給月に、タイムラグがあることに注意しましょう。

2024年の年金支給カレンダーは、以下の通りです。

【写真全4枚中1枚目】2024年の年金カレンダー。2枚目の写真で「年金振り込む通知書」のチェックポイントも紹介

【写真全4枚中1枚目】2024年の年金カレンダー。2枚目の写真で「年金振り込む通知書」のチェックポイントも紹介

出所:日本年金機構「令和4年4月分からの年金額等について」などをもとにLIMO編集部作成

年金の見込み額は「ねんきん定期便」や「年金振込通知書」で確認できます。では、実際にどんな箇所をみるべきなのでしょうか。

次の章から、年金支給月に送付予定の「年金振込通知書」のチェックポイントをみていきましょう。