3. 国民年金を未納した場合:年金事務所から催促がくる
国民年金保険料を支払わなかった場合、お住まいの管轄年金事務所から連絡が入ります。連絡手段は、電話の場合や文書による案内など様々です。
うっかりしていた場合などすぐ支払えばそこで解決です。しかし、故意に納付しなかったり、年金事務所への相談など具体的な対処をしていなかったりすると、文書案内の封筒の色が変わってきます。
ちなみに公表されてはいませんが、白字の封筒からピンク色になり、黄色、赤色など封筒の色が段々濃くなっていくようです。
また、国民年金保険料を納付しない場合、将来の年金がもらえない場合もあります。年金を満額もらえず、少ない年金で老後を過ごさないといけないかもしれません。
他にも障がいを負った場合、障害年金、亡くなった場合に遺族年金(18歳年度末までの子)を受給できないケースもあるため注意が必要です。
4. 払うことができない場合:まずは年金事務所で「申請」を
経済的に納付が難しいからという理由で払わないという選択肢は避けてください。
払えない場合、お住まいの市区町村の国民年金の窓口、またはお住まいの年金事務所の窓口で手続きの申請をしましょう。
4.1 学生の方は「学生納付特例制度」を利用しよう
学生の方は「学生納付特例制度」を利用しましょう。前年の所得や通う学校にもよりますが、市区町村の窓口や郵送で申請できます。
ちなみに利用する場合は20歳以降、毎年手続きが必要です。
納付猶予ができると、申請時点で課されている国民年金保険料の納付が猶予されます。学生期間の国民年金保険料は、卒業後に払うことができます。
4.2 学生以外の方が利用できる「2つの制度」
保険料免除制度
本人・世帯主・配偶者の前年の所得が一定以下の場合や失業した場合など、国民年金保険料を納められない場合、本人が申請して承認されると保険料の全部または一部が免除となります。
免除される額については、段階的に1万6980円(2024年度の保険料)の全額免除、4分の3免除、半額免除、4分の1免除となります。
納付金額は少なくなりますが、それでも将来の基礎年金(国民年金)額は、保険料の納付額に応じて受給可能です。障害年金、遺族年金の対象にもなります。
保険料納付猶予制度
20歳から50歳未満の方で、本人・配偶者の前年所得が一定以下の場合、申請後に承認されると国民保険料の納付が猶予されます。
この場合はあくまで「猶予」。のちに保険料を払う必要があります。
免除申請や納付特例、納付猶予制度を利用しても、後に国民年金保険料を支払うことができれば、追納を利用することで保険料を支払いできます。
5. まとめにかえて
国民年金保険料を支払うことができない場合、免除申請や納付猶予・納付特例を利用することができますが、申請し承認されないと利用することができません。
払えないからと言って、そのままにしておいても根本的な解決には至りません。
各家庭の事情まではわからない年金事務所や市区町村では自動では免除申請など行ってくれませんし、滞納している場合には督促や差し押さえの可能性もあります。
当たり前ですが、払う必要のあるものを支払うのは大事なことです。
自分の将来のための老齢基礎年金、障がいを負った時も障害年金として助けてくれるかもしれません。
国民年金は未納しないように心がけ、もし支払いが厳しいようであれば免除申請や納付特例や納付猶予制度を利用しましょう。
参考資料
日本年金機構「国民年金保険料」
日本年金機構「た行 第1号被保険者」
日本年金機構「国民年金保険料の学生納付特例制度」
日本年金機構「学生納付特例制度のポイント」
日本年金機構「国民年金保険料の納付が困難な方へ:国民年金保険料の免除・納付猶予申請が可能です!」
厚生労働省「令和6年度の年金額改定についてお知らせします」
香月 和政