3. おひとりさまこそ考えたい! 老後生活への意識改革のポイント

中央値で見れば老後生活が不安にも見えるおひとりさまですが、実は個々の状況によって深刻度合いは変わります。

次のようなポイントをふまえて、自分の老後生活を見据えた準備を進めてください。

3.1 住宅、車…「ローン支払い」があるなら:支払い計画の見直しを

住宅ローンなどでまとまった支払いがある方は、マネープランを立てて今後の支払い状況を見通しましょう。

仮にローン返済が老後の前に終わるなら、完済後に家計が急改善することにより資産形成が可能な場合があります。

3.2 退職金が期待できるなら:過度な不安は不要かも? 制度の確認を

企業の正社員などとして勤め、まとまった退職金が期待できるなら過度に不安に感じる必要はありません。

単身の生活を支える700万円超の資金は、退職金だけで賄える可能性があるためです。

退職金制度はそれぞれの勤務先で大きく異なるため、しっかり確認するようにしましょう。

3.3 貯蓄・余裕資金があるなら:投資の積極化も検討してみて

40歳代で貯蓄ゼロに近い状態の方も、単身であれば老後に間に合う可能性があります。

たとえば、45歳から投資を始めて65歳に1000万円の資産形成を目指すとしましょう。金融庁「資産運用シミュレーション」にて試算すると、利回り3%とした場合、月々3万460円の積立で1000万に到達可能です。

その人の家計状況にもよりますが、捻出可能な方は多いのではないでしょうか。

4. まとめにかえて

40歳代の貯蓄平均値は559万円、中央値は47万円。50歳代の貯蓄平均値は1391万円、中央値は80万円でした。

前年度の調査ではどちらも中央値が53万円だったので、変化している様子がわかります。

中央値で見れば老後生活が不安にも見えるおひとりさまですが、実は個々の状況によって深刻度合いは変わります。

過度な不安だけを募らせるのではなく、個々の状況を今一度振り返ってみましょう。

参考資料

荒井 麻友子