2. 【一覧表】給与所得者の年齢階層別・平均年収はいくら?
国税庁の「令和4年分 民間給与実態調査」によると、1年を通じて勤務した給与所得者の年齢階層別の平均給与は下記のようになりました。
<年齢階層別の平均給与>
- 19歳以下:124万円
- 20歳~24歳:273万円
- 25歳~29歳:389万円
- 30歳~34歳:425万円
- 35歳~39歳:462万円
- 40歳~44歳:491万円
- 45歳~49歳:521万円
- 50歳~54歳:537万円
- 55歳~59歳:546万円(男性平均は702万円で最高平均年収)
- 60歳~64歳:441万円
- 65歳~69歳:342万円
- 70歳以上:298万円
男性の場合は年齢が上がるにつれて平均年収が上昇しており、55〜59歳では平均年収が「702万円」となっています。
一方、女性の場合はどの年代においても平均年収に顕著な差が見られず、ピークは25〜29歳で「349万円」です。
上記の年代別の賃金差から、女性は結婚や出産をするタイミングで家事や子育てといった仕事以外の役割が増えるケースが多く、収入の上昇があまり見られない現状がうかがえます。
ライフスタイルの影響も顕著にあらわれる働き方と年収。男女ともに、過去5年間で平均年収帯の割合に大きな変化はなく、賃金上昇があまりされていない現状がうかがえます。
ループを脱するには、それ相応の覚悟と計画性が求められるといえるでしょう。
3. 「会社員の悲劇的ループ」を抜け出すには
退職への踏み出しを阻む、経済不安を抱える会社員が少なくない現況について確認してきました。
さまざまな価値観の人同士が集まり、ひとつの組織として仕事に取り組む以上、悩みや不満から「退職したい」といった感情がうまれるのはある意味自然なこと。それ自体、決して悪いことではありません。
それでは、このジレンマを解消するにはどうすればよいでしょうか。
まずは、現時点での仕事や貯蓄の状況、そして自分自身にどれだけストレスがかかっているかを洗い出してみましょう。そのうえで不安を解消するために「想定外のことが起こる前提での備え」を心がけるのが重要です。
時間や労力、元本割れなどリスクを理解した上で、副業や資産運用などを検討してみてもよいでしょう。
4. 必要に応じて、相談窓口の利用も候補にいれよう
本業以外で収入をもつハードルは高く、多大な時間がかかる可能性もあります。
しかし、自身の健康や精神状態などにまで支障をきたしている場合には、一時的な収入減や支出を仕方ないものと捉える必要があるでしょう。
職場環境によっては退職の申し出が難しい場合もあるため、必要に応じて退職代行サービスや相談を受け付けている弁護士、行政窓口への相談も検討すべきかもしれません。
「今の自分は何ができるか」を考えて、将来に備えるためのアクションをとることを検討してみてください。
参考資料
- レバレジーズ株式会社:career ticket (キャリアチケット)「2024年卒の入社後の配属先に関する調査」(PRTIMES)
- 株式会社アシロ:ベンナビ労働問題「【2510人の社会人に聞いた!】仕事をやめたいと思ったことはありますか?」
- 国税庁「民間給与実態統計調査(令和4年分)」
荒井 麻友子