2024年3月に公表された2023年分の総務省「家計調査報告(家計収支編)」によると、65歳以上の無職世帯の家計収支はおよそ月3万円の赤字となっています。
年金だけで生活するためには、老後に向けて一定の貯蓄が必要な状況です。
では、65歳以上の無職世帯では、毎月生活費や食費にいくらかけているものなのでしょうか。
本記事では二人以上世帯・単身世帯にわけて支出額の内訳を紹介。後半では、2500万円を貯めるために必要な積立額について解説します。
1. 年金世帯は平均で月3万円の赤字
令和5年分の統計局「家計調査報告(家計収支編)」における65歳以上の無職の二人以上世帯の収支状況は、次のとおりです。
65歳以上の年金受給世帯全体で、およそ月3万円程度の赤字となっています。
前年である2022年の同調査では、赤字額は2万2000円あまりでした。
物価高騰の影響もあるのか、前年より赤字額が拡大している状況です。
年齢が若い世帯ほど赤字額は大きく、特に65歳~69歳の世帯では、月の赤字は4万2849円となっています。
また、65歳以上の夫婦のみの無職世帯では食費が7万2930円、65歳以上の単身無職世帯では食費が4万103円かかっています。
高齢になれば食が細くなることもありますが、調理が難しくなるにつれ宅配等の比重が高まるかもしれません。
意外と食費の節約は難しいものです。
年金だけで生活していくためには、充分な貯蓄が必要であることがわかります。
2. 年金だけで生活できていない世帯が過半数
家計調査報告では、無職=主に年金収入で生活する世帯に焦点を充てていますが、厚生労働省「2022(令和4)年 国民生活基礎調査の概況」によると、過半数の年金受給層が年金以外の収入を得て生活しています。
同調査によると年金だけで生活できている人は全体の44%であり、56%は年金だけで生活できていないのです。
老後に向けた貯蓄が足りず、生活維持のために働き続ける世帯も少なくないのです。