2024年より「新NISA」がスタート。非課税保有期間が無期限になり、さらに活用しやすくなりました。

これをきっかけにして積立投資を始めた方、始めようと悩む方も多いのではと思います。相談を受ける側である筆者に対する「新NISA」に関するご相談も日ごとに増えてきました。

なかでも「何に投資すべきか」といったご質問をいただきます。同じような悩みを持っている方も少なくないのではないでしょうか。

新NISAつみたて投資枠の投資対象ファンドは、2024年2月29日時点で281本。選択が難しい理由は、その中から投資すべきファンドをメリット・デメリットを洗い出して考える必要があるためでしょう。

そこで今回の記事では、これから新NISAを活用して積立投資を始める方に向けてファンドの性質などを解説。記事後半では、後悔しないファンドの選び方をご紹介していきます。

1. 新NISA「つみたて投資枠」投資対象ファンドとは?

新NISA「つみたて投資枠」を利用して積立投資を行うには、金融庁が厳選した投資信託の中からファンドを選択しなければいけません。

つみたて投資枠の投資対象の要件とファンドの種類・本数は次の通りです。

1.1 新NISA「つみたて投資枠」の投資対象の要件

新NISA「つみたて投資枠」は、「長期」・「積立」・「分散投資」の資産運用を支援する制度で、投資対象となる投資信託は、金融庁の基準を満たすものに限定されています。

  • 販売手数料はゼロ(ノーロード)
  • 信託報酬は一定水準以下に限定
  • 顧客一人ひとりに対して、その顧客が過去1年間に負担した信託報酬の概算金額を通知すること
  • 信託契約期間が無期限または20年以上であること
  • 分配頻度が毎月でないこと
  • ヘッジ目的の場合等を除き、デリバティブ取引による運用を行っていないこと

1.2 新NISA「つみたて投資枠」投資対象ファンド

2024年2月29日の時点で、つみたて投資枠の投資対象ファンドは全部で281本あります。そのうち227本を「指定インデックス投資信託」が占めています。

新NISA「つみたて投資枠」投資対象ファンド数

新NISA「つみたて投資枠」投資対象ファンド数

出所:金融庁「つみたてNISA対象商品届出一覧(対象資産別)2024年1月31日現在」をもとにLIMO編集部作成

  • 指定インデックス投資信託:227本
  • 指定インデックス投資信託以外の投資信託(アクティブ運用投資信託等):46本
  • 上場株式投資信託(ETF):8本

2. インデックス・アクティブ・ETFとは?

新NISA「つみたて投資枠」の投資対象商品は「指定インデックス投資信託・アクティブ運用投資信託等(指定インデックス投資信託以外)・ETF(上場株式投資信託)」の3つのタイプに分けられます。

2.1 指定インデックス投資信託:基準価格で取引、コスト低め

つみたて投資枠の投資対象商品の約81%を占める「指定インデックス投資信託」は、以下のような指標(ベンチマーク)に連動する運用成績を目指す投資信託です。

  • 日本株式:TOPIXや日経平均
  • 米国株式:NYダウ
  • 世界株式:MSCI指数

例えば、日経平均株価をベンチマークとするインデックス投資信託であれば、代表となる225銘柄に分散投資することで、ベンチマークに連動した成果を得られるということになります。

2.2 アクティブ運用投資信託:基準価格で取引、コスト高め

一方、ベンチマークを上回る運用成績を目指すものを「アクティブ運用投資信託」といいます。指定インデックス投資信託と同様に、1日1回算出される基準価格で取引されます。

インデックス投資信託より積極的な運用を行う性質上、期待リターンとリスクが高くなる傾向があります。安定性よりも収益性を重視したい方に適しているといえるでしょう。

2.3 ETF(上場株式投資信託):リアルタイム価格、コスト低め

現時点でわずか8本しかないETFについても触れておきましょう。ETF(上場投資信託)とは、ベンチマークに連動した運用成績を目指す投資信託です。

インデックス投資信託との違いは「上場」している点にあります。ETFは証券取引所に上場しているため、株と同じように市場価格でリアルタイムに売買を行います。

安定性を重視した資産運用を好む方や初心者の方には、インデックス投資信託がおすすめといえるでしょう。

それでは、こうしたインデックス投資信託はどのように選べばよいのでしょうか。次の章から「後悔しない」選び方のコツをご紹介します。