3. 公立中学と私立中学の学習費はいくら?
公立中学と私立中学の学費がいくらかかるのか、文部科学省が調査した「令和3年度子供の学習費調査」をもとに確認します。
3.1 公立中学でかかる学費
公立中学では、学習費の総額は年間で以下の通りとなりました。
- 第1学年:53万1544円
- 第2学年:44万3848円
- 第3学年:64万925円
学校教育費の内訳で見ると、全体の29.9%が通学関係費、24.5%が「図書・学用品・実習材料費等」となっています。
では、私立中学に行った場合の学習費はいくらになるのか確認しましょう。
3.2 私立中学でかかる学費
私立中学では、学習費の総額は年間で以下の通りとなりました。
- 第1学年:180万6991円
- 第2学年:121万8559円
- 第3学年:127万8255円
公立と比較すると、学習費は約3倍かかる実態となっています。
約3倍の差が生じている理由は、授業料の高さです。
学校教育費の内訳を見ると、全体の44.9%が「授業料」で占められていました。
私立中学に行った場合、授業料が大きくかかると考えておきましょう。
では、少しでも教育費の負担を軽減できる助成制度はないのか、確認しましょう。
4. 中学受験で使える助成金はある?
東京都では、私立中学に通わせている都内に住むすべての保護者に対して、10万円の助成をすると決めました。
これまでは、所得制限を設けていましたが、2024年度からは所得制限を撤廃します。
ただし、こうした助成は予算の問題もあり、他の自治体で実施できるか不透明です。
現行では、国が主導している「就学援助制度」が活用できます。
就学援助制度は、学校活動で必要なものにかかる費用を助成する制度です。
対象となるのは、体操着や学用品、郊外活動にかかる費用などです。
ただし、生活保護世帯や生活困窮世帯に限定しているので、ほとんどの人は利用できない制度です。
今後、教育資金の助成などが中学まで拡大するのか、引き続き注目していきましょう。
5. 教育資金は計画的に捻出しましょう
ソニー生命の調査では、子どもの進学費用に備えて貯蓄できていないと回答した割合が30.6%でした。
平均貯蓄額も1万6492円で、過去の調査結果よりも減少しています。
将来の教育資金を計画的に準備しておかないと、奨学金などを利用せざるを得なくなり、子どもに負担を背負わせてしまいます。
教育資金の準備方法としては、NISAや積み立て型の生命保険、定期預金などがあります。
どの方法で準備するのが最適かは、子どもの年齢や貯蓄できる額、また親の年収によって異なります。
家計の見直しも含めて、教育費について検討しておきましょう。
参考資料
川辺 拓也