4月15日は年金支給日です。
年金は2ヶ月ごとの支給となるため、待ち遠しく感じるシニアも多いでしょう。
一方、現役世代にとって「年金額の実態」はあまり知られていないのかもしれません。
「今のシニアはどれくらいの年金を受給しているの?」という声も聞かれます。
老後資金を準備するためには、まず第一歩として年金受給額を知ることが大切です。
今回は2023年12月に厚生労働省から公表された「令和4年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」をもとに、最新の厚生年金と国民年金の受給額を60歳~90歳以上の1歳刻みで確認しましょう。
また記事の後半では、厚生年金における「驚きの男女格差」にも迫ります。ぜひ最後までご覧ください。
1. 「国民年金と厚生年金」の仕組み
まずは日本の公的年金の仕組みから整理します。日本の公的年金は、国民年金と厚生年金の2階建てになっています。
1.1 国民年金(1階部分:基礎年金)
- 加入対象者:日本国内に住む20歳以上60歳未満の全員(原則)
- 保険料:全員一律。年度ごとに決定
- 年金額の決まり方:納付した期間に応じて決まる。40年間保険料を納めれば、満額がもらえる
1.2 厚生年金(2階部分)
- 加入対象者:国民年金に上乗せして、公務員やサラリーマンなどが加入する
- 保険料:収入に応じて決定(上限あり)
- 年金額の決まり方:加入期間や現役時代の収入に応じて決まる
現役時代の働き方によって加入する年金が異なり、また将来受給する年金が異なることがわかります。まずはご自身の加入状況を確認しておきましょう。
2. 【年金一覧表】60歳~90歳以上「厚生年金」の平均年金月額はいくらなのか
では、今のシニアはどれくらい年金を受給しているのでしょうか。
厚生労働省から公表された「令和4年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」をもとに、年齢別の平均年金月額を年齢別に確認しましょう。
なお、以下の厚生年金の金額はすべて国民年金部分を含みます。
2.1 厚生年金の平均月額(60歳~69歳)
- 60歳:9万4853円
- 61歳:9万1675円
- 62歳:6万1942円
- 63歳:6万4514円
- 64歳:7万9536円
- 65歳:14万3504円
- 66歳:14万6891円
- 67歳:14万5757円
- 68歳:14万3898円
- 69歳:14万1881円
2.2 厚生年金の平均月額(70歳~79歳)
- 70歳:14万1350円
- 71歳:14万212円
- 72歳:14万2013円
- 73歳:14万5203円
- 74歳:14万4865円
- 75歳:14万4523円
- 76歳:14万4407円
- 77歳:14万6518円
- 78歳:14万7166円
- 79歳:14万8877円
2.3 厚生年金の平均月額(80歳~89歳)
- 80歳:15万1109円
- 81歳:15万3337円
- 82歳:15万5885円
- 83歳:15万7324円
- 84歳:15万8939円
- 85歳:15万9289円
- 86歳:15万9900円
- 87歳:16万732円
- 88歳:16万535円
- 89歳:15万9453円
2.4 厚生年金の平均月額(90歳以上)
- 90歳以上:15万8753円
65歳未満の厚生年金保険(第1号)の受給権者は、特別支給の老齢厚生年金の定額部分の支給開始年齢の引上げにより、主に定額部分のない、報酬比例部分のみの者となっています。
一般的な年金受給開始年齢である65歳以降をみると、年齢があがるにつれ平均月額が上がっています。平均で月額14~16万円台となっていますね。
年齢だけでここまでの年金差があることに驚いた方もいるのではないでしょうか。
ただし、厚生年金は収入に応じた保険料を支払うため(上限あり)、個人や男女差も大きいのが特徴となっています。
実際の個人差や男女差については、記事の後半で紹介します。