2. 40年間の平均月収が「30万円」の人の年金受給額はいくらか
平均月収30万円で40年間働いた会社員は老後にいくらの年金を受け取ることができるのでしょうか。
以下の条件でシミュレーションしてみましょう。
- 1975年生まれ
- 20~59歳まで会社員として勤務
- 40年間の平均月収は30万円
- 65歳から年金受取を開始
シミュレーションの結果は以下のとおりです。
2.1 平均月収ごとの目安年金受給額(額面)
平均月収 年金受給額の目安(額面)
- 20万円 年間128万円
- 25万円 年間143万円
- 30万円 年間154万円
- 35万円 年間166万円
- 40万円 年間177万円
- 50万円 年間206万円
- 60万円 年間224万円
- 70万円 年間250万円
- 80万円 年間268万円
平均月収30万円の人がもらえる年金額は年間に約154万円です。現役時代の年収が360万円(月収30万円×12ヵ月)のため、現役時代の年収の40%ほどしか年金をもらえません。決して充分な金額とはいえないでしょう。
3. 繰下げ受給で受給額を増やせる
平均月収30万円の人がもらえる年金は高額でないことを確認しましたが、繰下げ受給を利用すれば受給額を増やすことも可能です。
繰下げ受給とは、年金の受給開始時期を遅らせることで年間受給額を増やす方法となっています。繰下げ受給による年金受給額の増額率は以下のとおりとなります。
3.1 受給開始年齢ごとの年金受給額減額割合
繰下げ年数 年金受給額の増額率(65歳対比)
- 1年 +8.4%
- 2年 +16.8%
- 3年 +25.2%
- 4年 +33.6%
- 5年 +42.0%
- 6年 +50.4%
- 7年 +58.8%
- 8年 +67.2%
- 9年 +75.6%
- 10年 +84.0%
75歳まで受給開始を遅らせれば、65歳から受給を開始した場合と比べて年間にもらえる金額が84%増える計算です。
65歳から受給を開始した場合の受給額が年間154万円の人は、75歳に受給開始を遅らせると年間283万円も年金をもらえます。
受給額を増やしたい人は、ぜひ繰下げ受給を検討してみてください。
4. 老後生活をシミュレーションしよう
年金の受給額は人によって異なります。また、生活水準も世帯によって違うでしょう。
そのため、まずは自分の世帯がこのまま老後を迎えた際にどのような生活を送ることになるのかシミュレーションしてみてください。
シミュレーションの結果、理想の老後生活が送れないことがわかった場合は、節約や資産形成での老後資金の準備や繰下げ受給の利用を検討しましょう。
参考資料
苛原 寛