厚生労働省は、2024年度における公的年金の改定額を発表しました。

国民年金の場合、満額の受給額は6万8000円、厚生年金は標準モデルで23万483円となります。

しかし公的年金の受給額が増えても、それ以降でさまざまな税金の納付が必要です。

今回は、公的年金から天引きされるお金について解説。後半では4月以降に支払う必要がある税金や、年金から天引きされないお金について解説します。

1. 公的年金から天引きされるもの

公的年金は、年6回に分けて支払われます。

公的年金の支払日は、偶数月の15日です。

原則、公的年金から社会保険料や税金等が天引きされて支払われます。

天引きされる項目について確認しましょう。

1.1 介護保険料

介護保険料は、65歳以上で年金の年間受給額が18万円以上の場合、年金から天引きされます。

1.2 国民健康保険料

65歳以上75歳未満の国民健康保険加入者で、年金の年間受給額が18万円以上の場合、国民健康保険料が徴収されます。

ただし、介護保険料と国民健康保険料の合計額が、年金額の2分の1を超える場合は、天引きされません。

1.3 後期高齢者医療保険料

後期高齢者医療保険料は、75歳以上の年金受給者で、年間の年金受給額が18万円以上の場合に天引きされます。

後期高齢者医療保険料も、国民健康保険料と同じく介護保険料との合計額が、年金額の2分の1を超える場合は、天引きされません。

1.4 所得税

所得税は、公的年金額が一定以上の場合、天引きされます。

単身世帯の場合、年間の年金額が以下の場合、天引きの対象となります。

  • 65歳未満の場合:年間の年金額が108万円以上
  • 65歳以上の場合:年間の年金額が158万円以上

扶養親族がいる場合などは、天引きされる対象額が異なります。

1.5 住民税

住民税は、65歳以上で年金の年間受給額が18万円以上の場合、年金から天引きされます。

すべての項目で共通しているのは、年金受給額が年間18万円以上であれば、天引きされる点です。

また、以下のケースに該当している場合は、年金から天引きされません。

  • 65歳に到達した年度
  • 年度の途中で他の市町村から転入した
  • 年金を担保に借入れをしている
  • 年度の途中で所得段階が変更となった
  • 繰り下げ受給をしている

これ以外の税金などは、自分で納付する必要があります。

4月以降に支払う必要がある国税や地方税について確認しましょう。