3月末で退職を迎え、セカンドライフがスタートするという方もいるでしょう。

60歳代では二人以上世帯、単身世帯ともに貯蓄3000万円を達成する世帯の割合が最も多くなります。

では、二人以上世帯や単身世帯の60歳代はどのくらいの貯蓄を有しているのでしょうか。

最後にはそれぞれの世帯が老後を迎えてからの毎月の生活費も公開しているので、参考にしてみてください。

1. 二人以上世帯で60歳代貯蓄3000万円以上の割合はおよそ20%

今回は令和5年(2023年)の金融広報中央委員会「家計の金融行動に関する世論調査」にて、二人以上世帯・単身世帯の貯蓄3000万円以上の割合を調べていきます。

60歳代の金融資産額の分布は以下の通りです。

※金融資産を保有していない世帯も含む

  • 平均:2026万円
  • 中央値:700万円

60歳代二人以上世帯の貯蓄額は、平均と中央値で大きな差が開いています。

平均は貯蓄額の大きい世帯により引き上げられてしまう特性があります。一方で、中央値とはデータを小さい順に並べたときに真ん中にくる数字のことですので、今回は中央値が「より実態に近い数値」と考えてみていきましょう。

60歳代の貯蓄額の中央値は700万円という結果ですが、ゆとりある老後を送るためには金額に不足感を覚える人が多いのではないでしょうか。

60歳代はこれから老後生活を迎える世帯と、退職金を受け取ってすでにセカンドライフが始まっている世帯が混在する世代ですが、貯蓄事情は世帯によって差があります。

ここからは、金融資産保有額ごとの人数割合で「老後2000万円問題」をクリアしている世帯がどれくらいいるのか見てみましょう。

1.1 【60歳代】二人以上世帯の金融資産保有額ごとの人数割合

  • 非保有         :21.0%
  • 100万円未満       :5.9%
  • 100万円~200万円未満  :4.5%
  • 200万円~300万円未満  :4.3%
  • 300万円~400万円未満  :3.0%
  • 400万円~500万円未満  :1.9%
  • 500万円~700万円未満  :7.2%
  • 700万円~1000万円未満  :6.7%
  • 1000万円~1500万円未満:6.8%
  • 1500万円~2000万円未満:5.4%
  • 2000万円~3000万円未満:9.5%
  • 3000万円以上       :20.5%
  • 無回答         :3.2%

60歳代の二人以上世帯では、およそ20%の世帯が3000万円以上の貯蓄があるようです。

一方で、貯蓄ゼロの「金融資産非保有」世帯も2割程度確認できるため「貯蓄できている世帯」と「貯蓄できていない世帯」がはっきりと二極化しているのが見てとれます。