2024年1月29日、厚生労働省から令和6年(2024年)度の年金額改定が公表されました。
これにより、2年連続で公的年金額が引き上げられることがわかっています。
実は、年金も給料と同様に「天引き」されるお金があります。老後の収入源となる年金については、なるべく正確に金額を把握しておきたいものです。
今回は、年金から「天引き」されるお金について、くわしく見ていきましょう。
1. 「厚生年金」と「国民年金」から天引きされるお金
厚生年金や国民年金などの公的年金から天引きされるお金は、主に次の4つです。
1.1 介護保険料
40歳から64歳までは、健康保険料に含めて支払う介護保険料ですが、65歳以上になると「第1号」被保険者として単独で支払うことになります。
一定の要件を満たすことで年金から天引きされ、こちらは税金と違い「非課税」という概念はありません。
また、支払いは一生涯続くことになるため、たとえ介護状態になったとしても支払い義務は残る点に注意しましょう。
介護保険料はお住まいの自治体によって異なりますが、年々増えている傾向にあります。
1.2 国民健康保険料・後期高齢者医療制度の保険料
国民健康保険や後期高齢者医療制度に加入している方は、その保険料も原則として年金からの天引きで納めます。
介護保険料と同様に、所得が低くても支払う義務があります。
「介護保険料が特別徴収になっている」など一定の条件がある場合は、普通徴収(納付書や口座振替)になることもあります。
※国民健康保険と後期高齢者医療制度はいずれかの加入になるため、同時に天引きされることはありません。
1.3 個人住民税
前年中の所得に対してかかる住民税についても、年金所得が一定になれば課税されます。この住民税も、基本的には年金からの天引きで納めます。
保険料と違って、収入が一定に満たなければ非課税となるケースもあります。
1.4 所得税および復興特別所得税
年金が一定額を超えると、所得税がかかります。公的年金は雑所得の扱いとなり、現在は65歳未満なら108万円、65歳以上なら158万円を超えると課税されます。
また「東日本大震災からの復興のための施策を実施するために必要な財源の確保に関する特別措置法(平成23年法律117号)」により、所得税の源泉徴収の際に併せて復興特別所得税もかかります。
ただし、障害年金や遺族年金を受給する場合は非課税となります。