2. 株価の上昇で利益確定した方がいいのか

新NISAで長期運用を前提に積立投資を始めた人の中には、直近の株価の上昇により資産がさっそく増えた人もいるかもしれません。

そのため、すぐに売却して利益を確定したほうがいいのか悩んでいる人もいるでしょう。

ただし、投資は長くコツコツ続けるほど効果を得やすいです。例えば、月5000円の積立投資を続けた場合の資産評価額の推移は以下のとおりとなります。なお、年率3%での運用が前提です。

積立投資における長期投資の効果シミュレーション

積立投資における長期投資の効果シミュレーション

出所:楽天証券「積立かんたんシミュレーション」を基に筆者作成

2.1 月5000円の積立投資をした場合の資産評価額

経過年数 資産評価額(元本部分)

  • 5年 32万円(30万円)
  • 10年 70万円(60万円)
  • 15年 113万円(90万円)
  • 20年 164万円(120万円)
  • 25年 223万円(150万円)
  • 30年 291万円(180万円)
  • 35年 371万円(210万円)
  • 40年 463万円(240万円)

*投資の運用利回りは年率3%で計算

5年間の運用では資産は元本部分の30万円に対して2万円しか増えません。一方で、40年間運用すれば元本部分240万円に対して資産評価額は463万円となっていて、資産評価額の増加割合は2倍近いです。

もちろん日経平均やS&P500の値上がりが今後も続くと断言はできませんが、投資は長くコツコツと続けた方が効果を得やすいことは覚えておきましょう。

そのため、2024年から長期運用を前提に新NISAを始めた人が、今回の値上がりを受けてすぐに資産を売却するのはおすすめできません。

長期運用を前提とする方針は崩さずに、コツコツと積立投資を続けましょう。

3. 値上がりすることもあれば値下がりすることもある

日本の株式市場

日本の株式市場

manassanant pamai/istockphoto.com

直近は日経平均やS&P500の価格が上昇していますが、株価は常に変動します。そのため、株価が上がる日もあれば下がる日もあるでしょう。

特に投資を始めて間もない頃は、毎日株価が気になる人も多いかもしれません。ただし、長期運用において頻繁な株価のチェックは不要です。

長い目で見て資産が増えれば問題ないため、毎日の値上がり値下がりに一喜一憂するのではなく、長期的な目線で落ち着いて積立投資を続けましょう。

参考資料

苛原 寛