2024年3月19日にエン・ジャパンが公表した『エン派遣』三大都市圏 募集時平均時給レポートによると、派遣社員の平均時給は1683円となりました(2024年2月度)。
18ヵ月連続で、前年同月比プラスを記録したとのことです。
賃上げの機運が高まる中、非正規雇用でも月給アップを期待する方は多いのではないでしょうか。
一方、年収は今の暮らしだけでなく「将来の年金」にも影響するという点を押さえておきましょう。
時給1683円で仮に8時間労働で21日間働くとすると、月給は約28万円。ボーナス無しとすると年収換算で336万円となります。この場合、老齢年金の見込額はいくらになるのでしょうか。
1. 月給28万円(年収336万円)の人が受け取る厚生年金は月額約13万200円
月給28万円(年収336万円)の人が受け取る厚生年金(国民年金を含む)について試算してみます。
まずは計算式や試算条件から確認していきましょう。
1.1 厚生年金の受給額の計算式
報酬比例部分= A + B
- A(2003年3月以前):平均標準報酬月額×7.125/1000×2003年3月までの加入期間の月数
- B(2003年4月以降):平均標準報酬額×5.481/1000×2003年4月以降の加入期間の月数
報酬比例部分(従前額)=( A + B )× 1.014
- A(2003年3月以前):平均標準報酬月額×7.5/1000×2003年3月までの加入期間の月数
- B(2003年4月以降):平均標準報酬額×5.769/1000×2003年4月以降の加入期間の月数
上記のどちらかの式によって算出されます。また加入の時期によって計算式が異なるため、ここでは2003年4月以降に加入したとして試算します。
1.2 試算条件
- 平均標準報酬額は28万円
- 2003年4月以降に厚生年金に38年間加入した
- 国民年金は40年間未納なし
- 配偶者や扶養家族はいない
1.3 月給28万円の人の厚生年金額をシミュレーション
28万円×5.481/1000×38年(456ヵ月)=74万6900円
さらに老齢基礎年金(国民年金)の満額約81万6000円を足すと、合計で約156万2900円となります
月額にすると約13万200円です。
実際には38年間を通して月給が28万円であるケースはまれですが、一つの目安となるでしょう。
※昭和21年4月1日以前に生まれた方については、給付乗率が異なります。
※実際には「平均標準報酬月額」「平均標準報酬額」を用いるため、厳密には異なります。
※あくまでも概算のため、実際の受給額とは異なるケースがあります。
※老齢基礎年金は2024年度新規裁定者の基準額です。