関西の桜餅の材料「道明寺粉」には1000年以上の歴史も
塩漬けした桜の葉で餅を包むアイデアの発祥は関東ですが、関西の桜餅に使用する道明寺粉には、1000年以上の歴史があるとされています。道明寺粉とは、蒸したもち米を乾燥させた後、粗くひいて作るものです。
こちらは今から1000年以上前に、大阪府藤井寺市にある道明寺というお寺で生まれたと伝わっています。もともとは武将や兵士が戦場へ持って行く、保存食として使われていたそうです。
のちに道明寺粉は、お菓子作りの原材料としても使われるようになりました。食感はつぶつぶ・もちもちとしており、小さいサイズの桜餅でも思いのほか腹持ちが良く感じることもありますよ。
関東と関西どっちが優勢?日本全国の桜餅の分布を紹介
あんこの愛好家で構成されている「日本あんこ協会」では、2024年2月19日から2月29日にかけて、会員を対象に「桜餅が関東風と関西風のどちらが主流か」を尋ねるアンケートを実施しました。有効回答数は624名です。
「関東風が主流である」と回答した人の割合が80%以上だったのは、秋田県・山形県・茨城県・埼玉県・東京都・鳥取県・島根県の7都県でした。
秋田県・山形県・島根県は関東風が主流と答えた人の割合が100%で、特にクレープ状の生地であんこを包んだ桜餅が定着していることが分かります。
関東風と関西風が共存しているのは、岩手県・宮城県・福島県・栃木県・群馬県・千葉県・神奈川県・石川県の8県です。それ以外の32道府県は、「関西風が主流である」と回答した人の割合が80%以上でした。
「日本あんこ協会」の調査結果からは、全国的には関西風の桜餅の方が主流で、関東風の桜餅は関東7都県に加えて東北や山陰などで食べられていることが伺えます。