3. 【70歳代・二人以上世帯】貯蓄「2000万円以上」は何パーセントいるのか
先ほどと同じ、金融広報中央委員会「家計の金融行動に関する世論調査[二人以上世帯調査](令和4年)」より、70歳代・二人以上世帯の貯蓄事情を確認しましょう。
3.1 金融資産を保有していない世帯を含む貯蓄額
【70歳代・二人以上世帯】の貯蓄2000万円以上の割合
- 28.3%
【70歳代・二人以上世帯の貯蓄額】平均と中央値
- 平均:1905万円
- 中央値:800万円
貯蓄額一覧表
- 金融資産非保有:18.7%
- 100万円未満:5.9%
- 100~200万円未満:4.1%
- 200~300万円未満:2.8%
- 300~400万円未満:4.0%
- 400~500万円未満:2.2%
- 500~700万円未満:7.5%
- 700~1000万円未満:6.5%
- 1000~1500万円未満:10.3%
- 1500~2000万円未満:7.1%
- 2000~3000万円未満:10.0%
- 3000万円以上:18.3%
貯蓄2000万円以上の世帯は28.3%となりました。
貯蓄ゼロの世帯は18.7%という結果に。
すでに貯蓄の取り崩しが始まっている世帯もあると考えられます。
最後に、シニア世代の年金受給額についても確認しておきましょう。
4. 老後の年金収入「厚生年金・国民年金」平均月額いくら?
老後は、公的年金による収入を柱として生活するのが一般的でしょう。
では、厚生年金や国民年金は、どのくらい受給できるのか。
厚生労働省年金局が公表した「令和4年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」によると、2022年度末の厚生年金・国民年金の平均月額は、以下のとおりです。
4.1 ◆厚生年金の平均月額◆
- 全体:14万3973円
- 男性:16万3875円
- 女性:10万4878円
※国民年金部分を含む
4.2 ◆国民年金の平均月額◆
- 全体:5万6316円
- 男性:5万8798円
- 女性:5万4426円
上記のとおり、厚生年金と国民年金では受給額が大きく異なります。
現役時代、会社員や公務員など厚生年金保険に加入していた人は、国民年金に上乗せする形で厚生年金を受給するため、国民年金のみを受給する人より年金収入は多い傾向にあります。
ただし、厚生年金部分は年金加入期間や収入に応じて支払う保険料によって決定するため、個人差があるものです。
将来、自分がひと月あたりどのくらい年金を受け取ることができるのか、「ねんきん定期便」や「ねんきんネット」などで確認しておくと良いでしょう。
5. まとめにかえて
ここまで60歳代と70歳代における、貯蓄2000万円以上の世帯の割合についてみてきました。
2000万円以上の貯蓄を有している世帯が全体の3割を占めている一方で、金融資産そのものを保有していない世帯や、保有していてもごくわずかな世帯も非常に多いことが分かりました。
一昔前に「老後2000万円問題」が話題となりましたが、いまや多くの方にとって老後に向けた準備は必須だともいえます。
今回のデータをもとに、自分なりの準備の仕方を考えてみてはいかがでしょうか。
参考資料
- 金融広報中央委員会「家計の金融行動に関する世論調査[二人以上世帯調査](令和4年)」
- 株式会社ライボ「Job総研による『2024年 老後資金の意識調査』を実施 8割が”老後不安” 年金不信に備え NISA利用が最多」
- 厚生労働省年金局「令和4年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」
荻野 樹