「日本のシニアはお金持ちが多い」としばしば言われることがあります。さて、果たして真実のほどはどうなのでしょうか。
たしかに筆者が資産運用の相談を受けていたシニア層の中には、そういった「ゆとりのある裕福な暮らしをしている方」がたくさんいます。
実際に「貯蓄3000万円」を超える世帯も存在し、いかにも悠々自適な生活をされているお話を伺ったこともあります。
しかし、ほとんどの70歳代の方がそうかといえば、必ずしもそうではありません。どちらかというと非常に格差が激しい年代のようにも感じます。
今回は、そんな「日本のシニア世代」の中から、「60歳代と70歳代」をピックアップして、「貯蓄3000万円超の世帯」がどれくらいいるのかにスポットを当ててみたいと思います。
1. 現役世代の約8割が「老後資金に不安がある」と回答
2024年1月29日、株式会社ライボの調査機関「Job総研」は、660⼈の社会⼈男⼥を対象に実施した「2024年 ⽼後資⾦の意識調査」の結果を公表しました。
同調査資料によると、老後資金への不安がある人は全体の82.3%を占めており、内訳は「とても不安がある」が32.9%、「不安がある」が25.0%、「どちらかといえば不安がある」が24.4%でした。
不安な理由として最も多かった回答が「年金の受給有無」で68.3%。次いで「物価高騰による生活費の増加」54.3%、「健康保険や医療費の増額」50.3%という結果に。
物価高騰による生活費の増加は、いま直面している問題である世帯も多いことでしょう。
また、こうした不安がなくなる⽼後資の金額については、平均4040万3000円、中央値が2500万円、最頻値が2000万円となっています。
老後資金として最低限必要な金額や安心できる金額は世帯によって異なるものです。
それぞれが、不安なく老後を迎えられるよう準備できるのが理想ですね。
次章では、現役世代の人が「不安がなくなる老後資金の金額」と考える最頻値である2000万円の老後資金を準備しているシニアはどのくらいいるのかを確認していきます。