2. 「世帯年収1000万円」の平均貯蓄額の平均と中央値は?1割強は貯蓄ゼロ

世帯年収1000万円の世帯は、生活水準が高く、一般家庭よりも多くの貯蓄があるだろうと思われるかもしれません。しかし、実はそうとも限りません。

金融広報中央委員会「家計の金融行動に関する世論調査【二人以上世帯調査】令和4年調査結果」によると、世帯年収1000~1200万円未満の貯蓄額の分布は以下のとおりです。

なお、貯蓄には預貯金のほかにも株式や投資信託、積立型保険、個人年金保険などを含みます。

世帯年収1000~1200万円未満の金融資産保有額分布

世帯年収1000~1200万円未満の金融資産保有額分布

出典:金融広報中央委員会「家計の金融行動に関する世論調査【二人以上世帯調査】令和4年調査結果」をもとにLIMO編集部作成

※金額等は執筆時点での情報にもとづいています。

2.1 世帯年収1000〜1200万円未満世帯の貯蓄額

  • 非保有 12.2%
  • 100万円未満 5.3%
  • 100~200万円未満 6.1%
  • 200~300万円未満 1.6%
  • 300~400万円未満 3.3%
  • 400~500万円未満 3.3%
  • 500~700万円未満 4.1%
  • 700~1000万円未満 9.8%
  • 1000~1500万円未満 13.1%
  • 1500~2000万円未満 5.7%
  • 2000~3000万円未満 9.8%
  • 3000万円以上 23.7%
  • 無回答 2.0%
  • 平均 2556万円
  • 中央値 1000万円

最も多いのは「3000万円以上」の世帯であり、世帯年収1000~1200万円世帯の貯蓄の中央値は1000万円とやはり高い水準となっています。

ただし、貯蓄を全く持っていない世帯も1割強存在することがわかります。

収入が多くても、使いすぎれば貯金はできません。今のうちに生活水準を過度に上げず、先取り貯蓄を始めることが重要です。

3. 「世帯年収1000万円なのに貧乏…」高所得貧乏に陥るNG行動3つ!

ここからは、世帯年収1000万円でも貧乏生活を強いられてしまう「高所得貧乏」に陥るNG行動を3つご紹介します。

3.1 給料が入ったらすぐ使う

高所得貧乏の人は、いわゆる「先取り貯蓄」を怠ることが多いです。給料が入ったらすぐに使い込んでしまい、貯蓄を後回しにしてしまうことも。

絶対に貯めておきたい金額を決めておき「先取り貯蓄」をすることで、確実に貯蓄していくことが可能です。

3.2 保険の見直しやサブスクを放置する

高所得貧乏の人は、保険料やサブスク料金、携帯料金などの固定費を放置しがちです。

毎月3万円の固定費がかかっている場合、年間で36万円、30年間で1080万円もの支出になります。定期的に固定費を見直すことで、無駄な支出を減らしましょう。

3.3 高いローンを組む

高所得貧乏の人は「貧乏」とはいえ、もともとが高所得なわけですから、銀行などから高額なローンを組むことができます。

その結果、立派な家や豪華な車を購入し、ローンの返済で家計が圧迫されることがあります。

高額なローンを組む際には、無理なく返済できる金額かどうかをしっかり考えることが重要です。

4. 家計簿をつけることから始めよう

「高所得貧乏」に陥らないためには、まず現在の家計状況を把握することが不可欠です。

どれだけの支出がどこに行っているのかを把握するために、家計簿をつけるなどして、家計の実態を知ることから始めましょう。

また、元銀行員の筆者ですが、高所得者ほど株式や投資信託などの金融商品を保有している割合が高い傾向にあります。

投資にはリスクが伴いますが、銀行の預貯金よりもお金が増やせる可能性があります。

2024年1月からスタートした新NISAは、投資の利益にかかる税金を非課税にする制度であり、将来の資産形成にも役立ちます。資産運用に興味がある方は、新NISAを活用して賢く資産を増やしていくのもよいでしょう。

※金額等は執筆時点での情報にもとづいています。

参考資料

中本 智恵