厚生労働省が2024年1月19日に発表した「2024年度の年金額改定」では、2024年度の国民年金保険料は2024年度に月額1万6980円になる見通しです。
2023年度と比較して、460円増額となりました。
会社員や公務員は厚生年金に加入しており、国民年金の保険料を単体で支払うことはありません。
国民年金の保険料が上がったことで、影響はあるのでしょうか。
今回は、国民年金の保険料が改定されたことによる、厚生年金保険料への影響について解説します。
1. 国民年金と厚生年金とは?
まずは国民年金と厚生年金の概要について、それぞれ確認しましょう。
1.1 国民年金とは
国民年金は、日本に住む20歳以上60歳未満の人が加入する年金です。
原則として、自営業者やフリーランスなどは自分で国民年金保険料を納めます。
原則、国民年金保険料は減免措置を受けていない限り、保険料に違いはありません。
国民年金に加入している人は、65歳以降に公的年金の1階部分である「老齢基礎年金」を受給します。
老齢基礎年金の支給額は、国民年金保険料の納付期間によって変わります。
2024年度の老齢基礎年金は、満額で6万8000円と決まりました(昭和31年4月1日以前生まれの方は、月額6万7808 円)。
1.2 厚生年金とは
厚生年金は、会社員や公務員が加入する年金です。
基本的に、受け取る給与から厚生年金保険料が天引きされる仕組みとなっています。
厚生年金は、毎月の給与や賞与に共通の保険料率をかけて計算されるので、保険料は人によってばらばらです。
標準報酬月額は、1等級から32等級までの等級に該当する保険料を、労働者と事業主が折半して納めます。
厚生年金に加入していた人は、将来的に老齢年金の2階部分にあたる「老齢厚生年金」を受け取ります。
1階部分の老齢基礎年金とあわせて受け取るため、公的年金の受給額は自営業者やフリーランスに比べて多いです。
厚生労働省が2023年12月に発表した「厚生年金保険・国民年金事業の概況」によると、2022年度における老齢基礎年金と老齢厚生年金の受給額は、以下の通りになりました。
- 老齢基礎年金:5万6428円
- 老齢厚生年金:14万4982円
2. 厚生年金の加入者は国民年金に入ってない?
国民年金に加入している人は国民年金保険料を自分で納める必要があります。
対して、厚生年金に加入している人は、自分で保険料を納める必要はありません。
しかし、厚生年金に加入している人も国民年金の保険料は納めています。
国民年金の加入者は、その属性ごとに以下の呼び方をします。
- 自営業や学生、無職など:第1号被保険者
- 公務員や会社員など:第2号被保険者
このうち、第2号被保険者として厚生年金に加入している人は、国民年金の保険料を支払っていることになります。
では、厚生年金に加入している人は、国民年金保険料の引き上げの影響を受けるのか、確認しましょう。