2023年4月ベストセレクション
LIMOが2023年4月にお届けした記事から、人気の記事をピックアップして再掲載します。

(初掲載*2023年4月11日)

現役世代のサラリーマンであれば、毎月の給与明細を見て税金や社会保険料の控除額の多さに驚いたことがある人も多いでしょう。

実は、老後の年金からも、同様に税金や社会保険料の天引きがあります。そのため「ねんきん定期便」で確認していた金額より少なく驚かれる方もいるかもしれません。

4月は公的年金の支給月。今回は「ねんきん定期便」と「年金振込通知書」のチェックポイントに触れながら、老齢年金から天引きされるお金や、最新の公的年金事情をながめていきます。

老齢年金の年金額は人それぞれ

日本の公的年金制度は「2階建て」

日本の公的年金制度は「2階建て」図解

出所:日本年金機構「国民年金・厚生年金保険 被保険者のしおり」(令和4年4月)、厚生労働省「日本の公的年金は『2階建て』」をもとに、LIMO編集部作成

公的年金は、「国民年金(基礎年金)」と「厚生年金」の2階建て。上の図のように立場や働き方によって加入する年金は異なります。

国民年金は原則、国内に住む20歳以上のすべての人に加入義務があります。会社員や公務員などのサラリーマンは、国民年金に上乗せして厚生年金に加入します。

国民年金の年金保険料は全員一律(※1)。20歳から60歳までの40年間(480月)全期間保険料を納めた場合、老後に満額の国民年金を受け取れます。

一方、厚生年金の保険料は給与や賞与の一定の割合を、給与天引きで納付します。年金加入期間とともに納めた保険料によって老後の年金額が決まるため、おのずと個人差が出ます。

※1 国民年金の年金保険料:月額1万6520円(2023年度)
※2 国民年金の満額:月額6万6250円(2023年度)

老後に受け取る年金は、現役時代の働き方や立場などにより人それぞれです。「ねんきん定期便」などで自分の見込額を把握しておけると安心感が増すでしょう。

「ねんきん定期便」とは?

年に1度届く「ねんきん定期便」を、しっかりチェックしたことはありますか?

年金加入状況や老後の年金見込額が記載されている通知書ですが、働き盛りの若い世代の中には、ピンとこないかもしれませんね。詳しく見ていきましょう。

「ねんきん定期便」は年齢によって記載事項が変わる

「ねんきん定期便」の区分について

「ねんきん定期便」の区分表

出所:日本年金機構「ねんきん定期便」

「ねんきん定期便」は、毎年誕生月に日本年金機構から郵送される、年金記録を記載した書類です。上の表のように、年齢によって形式や記載される内容が異なります。サンプルも見ていきましょう。

50歳未満の人に送られる「ねんきん定期便」

令和4年度「ねんきん定期便」50歳未満の方

令和4年度「ねんきん定期便」50歳未満の方図版

出所:「ねんきん定期便」の様式(サンプル)と見方ガイド(令和5年度送付分)

50歳未満の人に送られる「ねんきん定期便」には、これまでの加入実績に応じた年金額が記載されています。

50歳以上の人に送られる「ねんきん定期便」

令和4年度「ねんきん定期便」50歳以上の方

令和4年度「ねんきん定期便」50歳以上の方図版

出所:「ねんきん定期便」の様式(サンプル)と見方ガイド(令和5年度送付分)

50歳未満の人には「これまでの加入実績に応じた見込額」が記載されていますが、これが50歳以上になると、「実際の見込額」に変わり、よりリアルな金額が確認できることになります。