【老齢年金】国民年金・厚生年金「みんなの額面」平均いくらか
ここからは、今のシニア世代が実際に受け取る公的年金額を見ていきます。
2022年12月に公表された厚生労働省の「令和3年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」をもとに、男女全体・そして男女別の年金事情を見ていきましょう。
国民年金「みんなの額面」平均いくらか
国民年金・男女全体平均月額:5万6368円
- 男性平均月額:5万9013円
- 女性平均月額:5万4346円
グラフを見ると国民年金受給額のボリュームゾーンは、男女ともに「6万円~7万円未満」の層です。
平均月額も大きな男女差はありませんね。令和3年度の満額が年間78万900円(月額約65000円)であることを考えると、満額に近い国民年金を受給している人が多いことがわかります。
厚生年金「みんなの額面」平均いくらか
厚生年金・男女全体平均月額:14万3965円
(含:国民年金月額)
- 男性平均月額:16万3380円
- 女性平均月額:10万4686円
ここでもグラフを確認すると、ボリュームゾーンは男性「17万円~18万円」、女性「9万円~10万円」の層ですね。この男女差は「厚生年金」の特徴を顕著に表した結果といえるでしょう。
厚生年金は、現役時代の所得・加入期間に大きく左右されます。また女性は男性と違って、結婚を機に出産・育児など雇用形態を変えながら働かれる方も多いことが、男女の差につながっていると考えられます。
国民年金・厚生年金は「額面通りにもらえない」
今回は、「ねんきん定期便」と「年金振込通知書」の書面を見ながら、老齢年金から天引きされる税金や社会保険料などについて整理したあと、今のシニア世代が受け取る年金額をグラフで確認しました。
老齢年金からも「天引きされる」税や社会保険料があることに驚いた人もいるかもしれません。
退職金の受け取りや、不動産の売却など「一時的に収入が増える」場面は老後でも起こり得ます。セカンドライフに向けたマネープランを作る際に、年金見込額を把握するとともに、そこから「天引きされるお金」があることも念頭に置いておきましょう。
低金利が続くいま、銀行などの預貯金だけでは資産がなかなか増えない時代。理想の老後を叶えるために「お金にも働いてもらう」=「資産運用」を検討するのも良いかもしれませんね。
参考資料
山本 大樹