2. 住民税が課税されない「住民税非課税世帯」とは?
住民税は所得のある人に課税される税金ですが、世帯によっては住民税が課税されない「住民税非課税世帯」になるケースもあります。
住民税非課税世帯は「所得割」「均等割」どちらもが非課税となる世帯で、世帯に1人でも課税所得者がいる場合は該当しないため留意しておきましょう。
住民税非課税世帯の要件は各自治体によって異なりますが、主に下記の世帯が該当します。
- 生活保護法の規定による生活扶助を受けている方
- 障がい者、未成年者、寡婦またはひとり親で、前年の合計所得金額が135万円以下(給与所得者の場合、年収204万3999円以下)である方
- 前年の合計所得金額が、自治体ごとの基準より少ない方
上記要件は、各自治体それぞれで異なるため、より詳しい内容が知りたい場合は、お住まいの市区町村の自治体ホームページを確認してみると良いでしょう。
3. 2024年度から新たに徴収される「森林環境税」とは?
冒頭でもお伝えしたように、2024年度から新たに「森林環境税」が住民税に上乗せされる形で徴収が開始されます。
対象者は日本国内に住所がある個人であり、納税義務者は6200万人にのぼります。
森林環境税は一律1人あたり年額1000円となっており、税規模は約620億円になることが予想できます。
なお、前述した住民税非課税世帯の場合は、森林環境税も非課税の対象となります。
森林環境税として徴収された税金は、都道府県や市町村に「森林環境譲与税」という形で再分配され、分配後は木材利用促進といった支援に充てられます。
3.1 2024年度「住民税が高くなる地域」がある?
2024年度から新たに「森林環境税」が導入されるため、一人あたり年額1000円住民税が上乗せされますが、基本的には前年度の税額負担と大きな変わりはありません。
前年度は、前述したように住民税の均等割の中に「各地方団体が実施する防災財源確保」のための税が加算されており、こちらも森林環境税と同様に年額「1000円」となっていました。
しかし上記は2023年度までで加算が終了しているため、実質的には徴収される名前が変わっただけであり、「住民税が高くなった」と感じることは少ないと考えられます。
とはいえ、地域によっては2024年度から独自の上乗せ加算をするところもある可能性も考えられるため、気になる方はお住まいの地域の自治体ホームページを確認してみることをおすすめします。
4. 2024年から実施される経済対策にも目を向けておこう
本記事では、2024年度から始まる「森林環境税」について詳しく紹介していきました。
森林環境税が上乗せされると聞くと「住民税の負担が増える」と感じるかもしれませんが、今年から「各地方団体が実施する防災財源確保」のための税加算がなくなるため、実質的には負担は少ないとうかがえます。
2024年度は、住民税非課税世帯への給付支援や、定額減税などの経済対策が実施されようとしているため、新たに始まる税制以外に経済対策にも目を向けておけると良いでしょう。
参考資料
- 財務省「住民税について教えてください。所得税とはどう違うのですか?そもそも国税と地方税の違いはなんですか?」
- 総務省「個人住民税」
- 大阪市「個人市・府民税が課税されない方」
- 港区「住民税(特別区民税・都民税)はどういう場合に非課税になりますか。」
- 林野庁「森林環境税及び森林環境譲与税」
- 総務省「森林環境税及び森林環境譲与税について」
- 八王子市「令和6年度から適用される市民税・都民税の主な改正点」
太田 彩子